マーケティング」というと難しいことのように感じますが、「届けたい人に届けたいモノ・コトを正確に届け、顧客のニーズに応える」ことが根本です。
その手段の1つとして、インターネット環境を利用した「Webマーケティング」があります。

今回は、美容室やエステサロンなどの実店舗運営者の方に向けて、そもそもWebマーケティングとオフラインマーケティングの違いはなにか、初めてWebマーケティングをする際に必要な考え方を紹介します。

また、ferretで学べる対象のWebマーケティング講座も紹介しています。これからWebマーケティングをはじめる方におすすめな内容ですので、合わせて活用してください。

Webマーケティングとオフラインマーケティングの3つの違い

特に美容室やエステサロンなど、実店舗を持ってその場所に根付いた営業をしている場合、Webマーケティングよりもオフラインのマーケティングを重視してしまいがちです。

これは不思議なことではなく、そもそもなぜその場所に店舗を出したのか、という目的があるため、目的を達成するためにはWebで広く集客をするよりも、地道でも狭く深くユーザーを獲得したい、という狙いがあるからでしょう。

しかしWebを使用したマーケティングでも、店舗のある場所を対象とした集客は可能です。

必要なのは「なにをしたいのか」によって、Web・オフラインを使い分けることです。
効果的に使い分けができるようになるために、まずWebマーケティングとオフラインマーケティングの違いをチェックしましょう。

1.マーケティングの効果がはっきりわかる

Webマーケティングとオフラインのマーケティングの大きな違いのひとつ目は、数値での効果測定ができるかどうかです。

例えば、店の周囲1km以内の民家にクーポン付きのチラシを配るとします。
店舗を訪れてもらうために家からの距離は重要な要素ですので、マーケティング手法としては有効です。

しかし、配ったチラシでどれほどの集客効果が得られたかを検証するためには、来店時にアンケート調査をする、チラシに専用クーポンをつけておきクーポンの利用状況を集計するなど、顧客から直接得られる情報を元にしなければなりません。

一方Webを使用して類似の集客をする場合はどうでしょう。

例えば、Google広告(旧Google AdWords)を使えば、お店の半径数キロ以内の20代から30代の女性顧客に絞って広告出稿が可能です。
広告出稿の対象となる顧客がどのくらいの人数いて、そのうち実際に店舗に訪れたのは何名かを計測する手段もあります。

さらに、チラシ配りをする場合はターゲットではない人の家のポストへも投函しなければいけません。一方、Web広告では性別や年齢などといったユーザー属性を細かく設定できるので、よりターゲット像に近いユーザーにリーチできます。

2.作業時間・労力を短縮しやすい

2つめの特徴は、短期間で実施できることです。

チラシ配りをする場合、チラシをデザインする時間と費用、印刷する時間と費用、投函する時間と費用、と多くの時間、費用、労力が必要です。

一方Web上で広告出稿をしたり、SNSを使用して発信をしたりなどであれば、テキストと店舗ロゴを入稿して簡単な決済手続きを済ませれば作業が完了します。

もちろん配信する画像のデザインにこだわる、たくさんの配信媒体を使用する、などであればその分費用や作業時間、労力も必要にはなりますが、チラシを制作して印刷し、足を使って配る際と比べれば、労力と時間はかなり短縮できます。

特に少人数で経営している実店舗の場合、時間と労力を大幅に短縮できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

3.無料で広く情報発信できる

3つめの特徴は、Webマーケティングは無料でスタートできることです。

無料であれば、万が一失敗してしまったときのリスクを最小限に抑えられます。
Webであっても、広告を配信するとなれば費用も必要ですが、SNSやブログでの情報発信であれば基本的に費用はかかりません。手軽に始められて、失敗しても痛手が少ない方法ですので、実店舗でも積極的に活用して行きたい手段だと言えるでしょう(しかし、SNSやブログの炎上には気をつけなければなりません)。

オフラインでも無料で情報発信する方法としては、、すでに顧客となっている人に口コミを広げてもらうという方法があります。

口コミの信用度は絶大ですが発信できる範囲は狭くなってしまいますし、口コミをコントロールするのは困難です。たくさんの顧客を獲得したいのであればカバーしきれるとは言えません。

はじめてのWebマーケティングに必要な4つの考え方

1.明確なゴールを設定する

Webマーケティングに限りませんが、戦略を立てる前には必ず「どのような結果が得たいのか」「ゴールの定義とはなにか」を明確に定めることが重要です。

そのためにまずは「販売経路を増やしたい」「ブランドイメージを向上させたい」「予約件数を増やしたい」など、店舗に必要なことを決めましょう。
可能であれば「予約件数を30%増加させたい」など明確な数値目標を盛り込むと、後から振り返りがしやすくなります。

参考:
目的を定めてKGIとKPIの設定をしよう

2.フレームワークで自社の立ち位置を分析する

目標を立てたら、フレームワークを用いて自社の分析をします。

あらかじめ店舗の強みや弱み、ポジションなどを把握しておくことでより現実的な戦略を考えることができます。

初心者でも取り組みやすい、おすすめのフレームワークを紹介しますので、以下の記事を参考にしてみてください。

STP分析
マーケティング初心者はまずは「STP分析」を押さえておこう!

SWOT分析
SWOT分析を理解して、自社ビジネスを分解しよう

3.webマーケティングの手法の種類を確認する

続いて、Webマーケティング戦略を練りましょう。
とはいえ、様々な手法があるため、何から始めていけばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。

まずは代表的なWebマーケティングの手法を紹介します。
手法によってはじめやすさや効果が出るまでの時間は異なります。また、無料でスタートできるものから、有料のものまで様々です。。

どのような目標に対してどれが有効なのかを参考程度に紹介していますので、定めた目標に対して、最適なものを選択してみましょう。

SEO

SEOとは、検索エンジン最適化のことです。自社のホームページGoogleやYahooなどの検索エンジンで上位に表示させるための一連の取り組みのことを指します。

店舗ホームページを持っている場合に限られますが、SEOに取り組むとより多くのターゲットに情報発信ができるため長期的な戦略としても有効です。

SEOがおすすめの実店舗運営者】
・ホームページを持っている
・店舗周辺地域以外のターゲット顧客にも情報発信したい
・長期的な戦略を考えている
・Webでの情報発信経験がある

参考:
集客講座:SEO対策コース

リスティング広告

リスティング広告とは、検索結果に表示される広告のことです。
SEOで表示される枠よりも上位に表示されるため、多くのユーザーにリーチできます。

また、広告テキスト、時間帯、ユーザー属性、予算などを細かくコントロールできることが特徴で、チラシなどのオフライン広告に比べ正確にターゲット層を狙うことができます。

リスティング広告がおすすめの実店舗運営者】
・短期間で集客したい
・有料でもOK
・ターゲット顧客が明確に定まっている
・目標数値が明確に定まっている
・これまで情報発信に触れたことがある(最適なコピーなどを考えるため)

参考:
集客講座:リスティング広告コース

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告とは、ホームページ内でテキスト広告バナー広告を表示する広告のことです。

広告の作成にやや高めの専門性を必要とする広告ですが、リスティング広告に比べ多くのユーザーにリーチできることが特徴です。

【アドネットワーク広告がおすすめの実店舗運営者】
・短期間で集客したい
・有料でもOK
・ターゲット顧客が明確に定まっている
・目標数値が明確に定まっている
・これまで情報発信に触れたことがある(最適なコピーなどを考えるため)
リスティング広告の効果検証を行ったことがある

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)

SMMとは、TwitterやFacebook、LINE@などのSNSアカウントを利用したマーケティング活動のことです。

身近なSNSを使ったマーケティング活動ですので、Webマーケティング初心者の方でも簡単に始められます。

【SMMがおすすめの実店舗運営者】
・簡単に始めてみたい
・無料で情報発信をしたい
・これまでWebを使った情報発信や集客などしたことがない
・ファンを作りたい

参考:
集客講座:Facebookページ運用コース
集客講座:Instagram運用コース
集客講座:LINE@運用コース

SNS広告

SNS広告とは、TwitterやFacebookなどで出稿する広告のことです。
こちらも他の広告と同様にユーザー属性を細かく指定できる他、SNSをよく利用する若年層にリーチしやすいことが特徴です。

【SNS広告がおすすめの実店舗運営者】
・簡単に始めてみたい
・有料でOK
・これまでSNS以外でWebを使った情報発信や集客などしたことがない
・ファンを作りたい

参考:
集客講座:Twitter広告コース
集客講座:Facebook広告コース

LPO・EFO

LPO(ランディングページオペレーション)・EFO(エントリーフォームオペレーション)とは、ランディングページやエントリーフォームの改善をすることです。

店舗のホームページを訪れた際に一番最初に見ることが多いランディングページや、購入や申し込みの際に必ず使用するエントリーフォームですので、これらを改善で、コンバージョン率向上が期待できます。

LPO・EFOがおすすめの実店舗運営者】
・ホームページを持っている
・コーディングやデザインなどの知識がある
・ホームページからの来客が多いように感じる
・広く情報発信をしたい
・長期的な戦略を考えている

Web接客ツール

だんだんと利用が増えている、チャットボットなどを利用したWeb接客ツールもおすすめです。
ホームページやLINE@、Facebookページなどを訪問しているユーザーの質問にリアルタイムで回答したり、クーポンを配布したりする機能があります。

【Web接客ツールがおすすめの実店舗運営者】
・少人数で店舗営業をしている
・ツール活用をしたい
・接客ノウハウやマニュアルがすべて言語化されている
・ホームページやLINE@、Facebookページなどを持っている

4.実施する施策を決める

マーケティング戦略を決める上で重要なポイントは「簡単なことからはじめる」「いきなりたくさんのことをやらない」ことです。

特に個人経営の実店舗の場合、Web担当者を置くことは難しいため、経営者やスタッフが兼務することが多くなります。

そのため、普段の業務もある中で、SEOに注力する、広告出稿をするなどは、これまでまったくWebでの情報発信をしたことがない方にはややハードルが高いかもしれません。

もちろん勉強することで使いこなせるようになりますが、はじめの一歩としては踏み出しづらいことは否めません。

そこで、まずはSNSの公式アカウント運用といった簡単なものから始めてみましょう。
SNSアカウントの運営経験が少ない場合は、まずは1つ2つからでも構いません。
その後少しづつ数を増やし、メルマガやSNS広告、オウンドメディア構築などと幅を広げてみましょう。

まとめ:実店舗でもWebマーケティングは有効

Webを使用したサービスやネットショップなどであればWebマーケティングに注力するのは自然な流れです。

しかし、美容室やエステサロンなど地域に根付いた商売をする場合、チラシ配りやお客さまの紹介キャンペーンなど、オフラインマーケティングを優先して「Web」が後回しになってしまいがちです。

もちろんオフラインでの集客も非常に重要ですが、Webでも集客ができるようになれば、より多くの顧客を獲得できます。

普段の業務もこなしながらとなると、いきなりたくさんのことは難しいかもしれませんが、まずできることから少しずつはじめてみませんか。