2.誤読を防ぐため、最低限の文法は守る

ユーザーに「役に立った」と感じてもらう前に、読み進めてもらえる文章になっているか、言い換えれば気持ち良い文章になっているかを心がけなければいけません。
 
その際にマイナス要因となるのが「文法に則っていない文章」です。
ユーザーのニーズに応える内容であったとしても、文法的な間違いがあると内容が伝わりづらくなり、伝えたい事が伝わりません。
文法の間違いにより、記事内容を誤解されてしまう可能性もあるため、以下に記載するような最低限の文法は守るようにしましょう。

文章はねじれていないか

意外と起こりがちなのが「文章のねじれ(主語と述語がちぐはぐになっていること)」です。
 
例えば、以下の文章は「ねじれている」状態です。

例:
「このポイントカードの有効期限は、来年11月末までご利用いただけます。」

主語が「有効期限は」なのに対し、述語は、「ご利用いただけます」になっています。

【主語に合わせる場合】
「このポイントカードの有効期限は来年11月末までです。」

【述語に合わせる場合】
「お客様がお持ちのこのポイントカードは、来年11月末までご利用いただけます。」

主語と述語の距離をできるだけ短くすると、2つの関係性が見えやすくなるため、ねじれを防ぐことができます。

助詞は適切に使えているか

助詞とは、「てにをは」などの単語と単語を繋げ、単語同士の関係性を表す役割を持つ品詞のことです。
助詞が違うだけで、単語同士の関係性が変わり、文章全体の意味が変わってしまう場合があります。

例:
「明日晴れです」
「明日晴れです」

 
どちらの文章も意味合い的には正しいですが、内容は異なるものになります。
以下のような誤用も避けたいところです。

例:
「明日晴れです」

参考:
日本語 文法 助詞とは:解説-東京外国語大学言語モジュール

修飾語の位置は適切か

修飾語とは、他の単語の意味をより詳しく説明するために付けられる品詞です。
例えば、「美しい花」の場合は、「美しい」が修飾語、「花」が被修飾語となります。
修飾語は、どの単語を修飾しているのかが明確でなければ、誤読を誘発してしまいます。

例:
「美しい花模様をあしらった花瓶」

この文章の場合、「美しい」が「花」にかかっているのか「花瓶」にかかっているのか判別がつきません。

例:
「美しい花模様が印象的な花瓶」
「花模様をあしらった美しい花瓶」

上記の例文のように、何を修飾しているのかが自然にわかるような構成にしましょう。

句読点の位置は適切か

句読点とは文章を区切る役割を果たす「。」と「、」のことです。
特に読点「、」の使い方には慎重になりましょう。「主語の後に打つ」「接続詞の後に打つ」などルールは存在するものの、文章の流れによって適切な読点は異なります。

例:
「私は、明日地元に帰省する」
「私は明日、地元に帰省する」

上記2つの文章は、読点の位置は異なるものの、意味合いは同じです。どちらが良いのかはライターのセンスによります。

例:
「鈴木は、怒りながら黙々と作業する田中を見ていた」
「鈴木は怒りながら、黙々と作業する田中を見ていた」

こちらの場合は2つの文章の内容が異なっています。読点の位置によって「怒りながら」がかかっているのが「鈴木」なのか「田中」なのかが決まるため、どちらに「怒りながら」をかけたいのかをしっかり確認しましょう。
 
このように修飾語がどの単語にかかるのかも、読点で調整できます。

誤字脱字、表記ゆれは無いか

出版社のような専門家でないと誤字脱字を完全に排除するのは難しいかもしれませんが、できるだけ少なくするよう複数人でチェックしましょう。
 
表記ゆれは意外と見落としがちな部分です。
半角・全角・漢数字・英数字・がないまぜになっていると、文章に統一感がなくなり、読み手にわずかながらストレスを与えます。
例えば、「引っ越し」「引越し」など揺れやすい単語にも注意しましょう。

声に出して読む

ここまで紹介した文法の間違いや誤字脱字を発見するには、大半が「音読」することで解消可能です。
声に出して読むことで文章の間違いに気付きやすくなるので、記事を書き上げた後は、小声で良いので文章を読み返してみましょう。