商業目的でサイト運営を行う場合、CVR(顧客転換率=実際に商取引を行ったユーザーの割合)を高めるためにアクセス解析は欠かせません。

最も有名なアクセス解析ツールの一つにGoogleアナリティクスがありますが、このツールだけではできないこともあります。そこで、Googleアナリティクスに加えてヒートマップも同時に使うことで、CVRを向上させるチャンスが高まります。

この記事では、Googleアナリティクスとヒートマップの特徴と相違点、さらに両ツールを同時に利用することの有効性について解説します 。

▼ GA4の初期設定・基本の使い方をまとめた資料はこちら

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

GA4へ移管したばかりの方、これから使い始める方向けにUAとの違い、GA4の設定方法、レポートの見方などを解説します。

ヒートマップとは?特徴とできること

Webサイトを分析するためのツールとして知名度の高いGoogleアナリティクスですが、最近はGoogleアナリティクスにはない機能を持つ分析ツールとしてヒートマップにも注目が集まるようになってきました。

ヒートマップとは一体どのようなツールなのか、見ていってみましょう。

ユーザーの動きを可視化できる

ヒートマップとは、Webサイトを訪問したユーザーのマウスやスクロールボタンなどの動きを、色や濃淡によって地図のように可視化できるツールです。表示される色が赤いほど数値・割合が高いことを意味し、ユーザーの注目度が高い場所と判断されます。

ヒートマップの最大の特徴は、ユーザーの動きを目で見てすぐにわかる形で示してくれる点です。ユーザーがサイト内のどこの何に注目する傾向があるのかを瞬時に把握できます。

サイト改善の方向性がわかる

ヒートマップでは、ユーザーが頻繁にクリックしている場所を示す「クリックヒートマップ」、ユーザーがじっくりと見ている場所を示す「アテンションヒートマップ」、どこまでスクロールしたのかを目で見て把握できる「スクロールヒートマップ」が提示されます。

これらのヒートマップを使用する大きなメリットの一つが、サイト内の各ページでユーザーに関心を持たれていない場所を見直す、あるいはページ内で注目を引き付ける箇所を増やすなど、サイト改善の方向性が分かるという点です。

ページ内にある改善点を修正し、ニーズを喚起するような情報をより増やすことができれば、CVRを高めることにつながるでしょう。

ヒートマップとGoogleアナリティクスの違いは?

先述したような機能を持つヒートマップと、アクセス解析を行う上で最も有名なツールと言えるGoogleアナリティクスとでは、機能的にどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、Googleアナリティクスの機能をご紹介した上で、ヒートマップとの相違点について詳しく解説します。

Googleアナリティクスはアクセス解析のツール

WebサイトGoogleアナリティクスと連携させることで、主に以下のことを把握できます。

ユーザーがサイト内に訪問した時間

時間の移り変わりの中で、閲覧されているページ数がどのように変わっていったのか、さらに今現在どのページが閲覧されているのかを把握できます。

スマホやPCなどサイト閲覧時に使用されたデバイス

ユーザーのデバイス情報を把握できます。大きく分けて「デスクトップのPC」「モバイル」「タブレットのうち、どのデバイスからアクセスされているのかが分かります。

どこを経由してきたのか(外部リンクや広告など)

ユーザーがどのようにしてこのサイトに流入したのかを解析できます。検索エンジンで検索したのか、バナー広告をクリックしたのか、「お気に入り」に登録してあったのか、他サイトのリンクからきたのか、SNSから流入したのか、リスティング広告からきたのか、メール内のリンクからきたのか、などを把握することが可能です。

なお、バナー広告はGIFアニメーションなどを使用した広告リスティング広告検索エンジン検索結果に連動して表示される広告を指します。

サイト訪問時のユーザーの動き

ユーザーがサイトを訪れたときに閲覧されたページ数(ページビュー数)、各ページの訪問者数、各ページのユーザー滞在時間、直帰率(ユーザーが何も行動しないでページを離れた割合)、離脱率ページ内のコンテンツをすべて閲覧せずに離脱が生じた割合)などが分かります。

特に直帰率を下げることは、CVRを向上させる上では重要です。

Webサイトの目標達成状況がわかる

Googleアナリティクスのコンバージョン・レポートを見ることで、Webサイトが設定している目標に関連したデータをチェックできます。

例えば通信販売を行っているサイトであれば、商品の売れ行き状況が分かるわけです。事前に目標を入力しておくことで、チェック時点での目標達成数を確認できます。

ヒートマップにできて、Googleアナリティクスにできないこと

Googleアナリティクスがあれば、運営しているサイトのアクセス状況はほぼ網羅できますが、チェックできるのはあくまで「運営側の目線」による情報です。ユーザーの訪問数、流入元、ページの滞在時間などを数値化して把握できますが、「訪問者の目線」での解析は十分に行うことができません。

例えば、サイトを訪れたユーザーがページ内のどこをよく見ているのか、クリックして欲しい箇所をきちんとクリックしているのかなど、ユーザーのサイト内での細かい動きを分析するにあたり、Googleアナリティクスでは十分に対応しきれない部分があります。

一方でヒートマップは、サイトの各ページでユーザーがどのような動きをしているのかを、熱探知のように色と濃淡で表せるという点が大きな特徴です。ページ内でチェックしてもらいたい箇所、クリックしてもらいたい箇所、読んでもらいたい箇所が、狙い通りにユーザーを誘導しているかどうかを確かめることができます。

つまり、Googleアナリティクスはユーザーがどのページに多く訪れているのか、どこからそのページにきたのかなど、ページに対するアクセス状況が分かるのに対し、ヒートマップページ内での具体的なユーザーの動きが分かるわけです。

▼ GA4の初期設定・基本の使い方をまとめた資料はこちら

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

GA4へ移管したばかりの方、これから使い始める方向けにUAとの違い、GA4の設定方法、レポートの見方などを解説します。

ヒートマップとGoogleアナリティクスの合わせ技が最強

Googleアナリティクスとヒートマップの機能を比べると、不足している機能を補完し合う関係にあることが分かります。

Googleアナリティクスがサイト・ページへのアクセスに関する情報を取得・分析できるのに対して、ヒートマップは各ページ内におけるユーザーの行動分析を行えるわけです。このように考えると、ヒートマップGoogleアナリティクスはどちらか一方のみを使用するのではなく、合わせ技で使うのが望ましいと言えます。

Googleアナリティクスによるアクセス解析に加えて、ユーザーの行動分析も行う

例えば、Googleアナリティクスで各ページの平均滞在時間を確認していくと、滞在時間の少ないページがどこなのかが分かります。

そうしたページヒートマップ分析を行い、各ページでユーザーが見ていないところ、関心を持とうとしない箇所がどこなのかを捉えれば、ページの滞在時間を増やすための改善を行えるようになるでしょう。

ユーザーの滞在時間が伸びているということは、それだけユーザーがそのページを熟読していることを意味します。ヒートマップではコンテンツ内のどこがよく読まれているのか、どこまでスクロールされたのか、クリックされた場所やマウスの動きはどうだったかなども分かるので、滞在時間を延ばすための改善点を把握しやすいでしょう。

ヒートマップでGoogleアナリティクスの機能を補う

Googleアナリティクスにもイベント機能があり、この機能を使うことでページ内のユーザーの動きをある程度把握できます。ここでいうイベントとは「行動」を意味し、Googleアナリティクスが持つイベントトラッキング機能であれば、特定のページにおけるユーザーの行動分析を行い、ページ内の改善点を見つけることも可能です。

しかし、イベントトラッキング機能は設定が難しく、何よりヒートマップのように視覚的に分かりやすい提示は行えません。ユーザーの行動把握を素早く、明確にできることを考えると、特定のページ内の分析はヒートマップの方が適していると言えます。

以上のことを踏まえると、GoogleアナリティクスによってWebサイト内で要改善のページを把握し、ヒートマップによって要改善のページにおける問題点をユーザー行動分析によって把握するという合わせ技が、最も合理的と考えられます。

CVRを向上させるという点においても、この両者の組み合わせは強力だと言えるでしょう。

ヒートマップとGoogleアナリティクスの特徴を活かしCVRの改善を目指す

Googleアナリティクスはサイト・ページへのアクセスに関する分析、ヒートマップは各ページ内におけるユーザーの行動分析を詳細・明確に行えるという特徴があります。

CVRの向上につながるサイト改善を行う場合は、ヒートマップGoogleアナリティクスを別々に利用するのではなく、両者を連携させ、お互いの機能を補完させるように活用するのが望ましいでしょう。

関連記事

おすすめヒートマップツール5選!活用法やメリットも併せて紹介

おすすめヒートマップツール5選!活用法やメリットも併せて紹介

ヒートマップを使うことで、自社サイトのどこがよく見られているのかなど、ユーザーの行動がわかるようになります。この記事では、ヒートマップツール導入のメリットやデメリット、おすすめのツールなどを紹介していきます。

マンガなら最後までコンテンツが読まれる?マンガをヒートマップ解析してみた

マンガなら最後までコンテンツが読まれる?マンガをヒートマップ解析してみた

マンガが読者に与える印象を「描き文字」という視点から掘り下げます。また、一般的なランディングページとマンガを比較した際、“どこまで読まれ方に違いが生じるのか”をヒートマップ解析ツールを用いて検証してみました。

▼ GA4の初期設定・基本の使い方をまとめた資料はこちら

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

【GA4】切り替えガイド|設定方法とレポートの見方

GA4へ移管したばかりの方、これから使い始める方向けにUAとの違い、GA4の設定方法、レポートの見方などを解説します。