変化に着目するのがポイント

**西井:**市場のニーズにあっているかどうかというのが、まさにそのタイミングなんですね。

**柴田:**市場選択とタイミングですね。

**西井:**それを2016年の今やっていたら、絶対無理ですよね。そのセンスが抜群なんだよなと思っていて。

**柴田:**でも、全部そうじゃないですか。そのサービスもそうだと思います。または、クックパッドさんみたいにタイミングが来るまで待ち続けるか。

**西井:**手前にリリースしておいて、来るべきタイミングが来たときに花開くみたいな。

そういう話でいうと、今SEOコンサルティングで起業しようとする人も多分いるわけですよね(笑)。

柴田さんは、アメリカに行って市場のことを調査したり、ユーザーヒアリングなどもすごくしているのが、絶好のタイミングを選べている理由なのでしょうか。

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**柴田:**変化に着目するというのがポイントだと思っています。

ビジネスは課題を解決するという側面があるじゃないですか。昔からある課題をすでにありふれた解決策で解決しようとする試みは、もうすでにいろいろやり尽くされているという前提で物事を考えています。

穴はない。実は穴はあると思うんですけど、穴はないと仮定して。

そうすると、新しい課題を見つけてきてすでにあるソリューションで解決するのか、課題は昔からあるけれども今まで不可能だった解決策が可能になったタイミングを見計らって解決するかという、その2パターンしかないと思うんですよ。

**西井:**本当にその通りですね。

それこそ、スーパーに行ってスーパーで売り上げをアップするためにできることは、既存のことに関して言えば、特売日を作ったり、3の日はなんとかの日とか、今週は牛乳がなんとかとか、その仕組みだけだったらもうやり尽くされているし、そこで新しいところが入ってきても絶対勝てないですもんね。

**柴田:**それは難しいですよね。それができると思っているのは、むしろ傲慢ですらある。

**西井:**自分ならできると思っているのなら傲慢。その通りですね。

そこに対して、ひとつ新しい課題発見をする。もしくは新しいソリューションを使うということですね。

**柴田:**新しい課題というのは、例えばTwitterで話題になってましたけど、ポケモンGOで世田谷公園に大量の人がやってきている。

そこで、モバイルバッテリーを10分100円で貸し出す人が現れたんですよ(笑)。これは、新しい課題を今までのソリューションで解決するというやつですね。

ポケモンGOが流行らなければ、こんな課題は発生しないんですよ。世田谷公園で充電したいっていう課題が出てきて、その解決策がすごく簡単で、モバイルバッテリーを売ったり貸したりするだけという。

持続性はさておき、例としてはすごくわかりやすいと思っていて。そういう何かトレンドが起こったときに、付随して発生した新しい悩みができるわけじゃないですか。トレンドが生まれたら、それによって悩みが、仕事が増えていないかということを考えるのが王道かなと思っています。

**西井:**だから、今まで作ってきたサービスも、基本的にはそういう思想から生まれている。

なんでもかんでも注目して考えればいいてもんじゃないという話ですね。