マイクロコンバージョン」という用語を見聞きしたことがあるものの、具体的な設定方法などは分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事ではマイクロコンバージョンを設定するメリット・デメリットや、Google広告における設定方法などについて、画像付きで詳しく解説します。Google広告の運用を行うマーケティング担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

1.マイクロコンバージョンとは
2.Google広告でマイクロコンバージョンを設定するメリット
3.Google広告でマイクロコンバージョンを設定するデメリット
4.Google広告のマイクロコンバージョンの設定方法
5.Google広告のマイクロコンバージョンの確認方法
6.Google広告でマイクロコンバージョンを設定する際のポイント
7.マイクロコンバージョンでGoogle広告を効果的に運用しよう

マイクロコンバージョンとは

マイクロコンバージョンとは、Webサイトなどに訪問したユーザーが最終的なコンバージョンに至るまでの間に設定する中間指標のことです。

マイクロコンバージョンポイントの例

マイクロコンバージョンの例.png

マイクロコンバージョンはアプリのダウンロード、BtoBサイトにおける資料請求や見積依頼など、さまざまなゴールに対してポイントの設定が可能です。

例えば、ECサイトにおける最終的なコンバージョンが「商品の購入」の場合、次のようなポイントがマイクロコンバージョンとして考えられます。

  • 商品詳細ページへのアクセス
  • 注文ボタンのクリック
  • 注文フォーム入力後の確認ページの表示

Google広告でマイクロコンバージョンを設定するメリット

Google広告の機能を用いてマイクロコンバージョンを設定すると、次のようなメリットが得られます。

CV数が少ないキャンペーンの成果を判断できる

最終的なコンバージョンしか測定しない場合、十分なCV数が集まるまで時間がかかる可能性があります。特に、ニッチなジャンルにおけるサービスの資料請求や高額商品の購入などのコンバージョンはCV数が増えにくく、広告キャンペーンの成果を判断しにくいでしょう。

その点マイクロコンバージョンを設定すれば、最終的なCV数だけでなく、コンバージョンに至る手前のアクションも加味して広告の成果を判断できます。

自動入札のための学習データが増える

Google広告では、機械学習により広告の入札を自動で最適化することが可能です。自動入札には、コンバージョンに至ったデータが利用されます。

Google広告でマイクロコンバージョンを設定すると、自動入札のための学習データを増やし精度を高めることが可能です。

カスタムオーディエンスの作成に役立つ

カスタムオーディエンスとは、ユーザーの属性や興味・関心をもとに広告のターゲティングを設定する機能です。例えば、過去にコンバージョンに至ったユーザーと類似するユーザーに広告を表示するなどの設定ができます。

マイクロコンバージョンのデータも、カスタムオーディエンスの作成に利用することが可能です。カスタムオーディエンスを作成することで、マイクロコンバージョンに至ったユーザーと類似度の高いユーザーをターゲティングできます。

Google広告管理画面の見方は以下の記事で詳しく解説しています

Google広告管理画面の見方を解説。基本メニューと課題を発見するポイント

Google広告管理画面の見方を解説。基本メニューと課題を発見するポイント

Google広告でマイクロコンバージョンを設定するデメリット

Google広告でマイクロコンバージョンを設定する場合、次のようなデメリットがあるため注意が必要です。

管理画面上ではコンバージョンとマイクロコンバージョンが合算される

Google広告はデフォルトの状態では、コンバージョンとマイクロコンバージョンが合算された数値が管理画面上に表示される仕様になっています。

例えば、商品購入のコンバージョンが1件、注文ボタンのクリックなどのマイクロコンバージョンが3件発生していた場合、管理画面上に表示されるコンバージョン数は4件です。

この仕様を理解しておかないと、管理画面を見たときに「商品購入のコンバージョンが4件発生した」と誤解してしまうリスクがあります。

コンバージョンとマイクロコンバージョンの数を分けて確認したい場合、レポートの右上にある「分類」のアイコンをクリックしましょう。

分類.jpeg

コンバージョン」→「コンバージョンアクション」を選択すると、管理画面上でそれぞれの数値を分けて確認できます。

コンバージョンアクション.jpeg

実際のCV数やCPAの変化を吟味する必要がある

マイクロコンバージョン数に基づく施策や自動最適化が、必ずしも最終的な成果につながるとは限りません

例えば「商品詳細ページへのアクセス」というマイクロコンバージョンに至るユーザーが増えても、最終的な購入数は増えないこともあります。

マイクロコンバージョンの導入後、最終的なCV数やCPAが改善されているかを吟味し、施策を進めていくことが重要です。

設定を増やしすぎると管理に手間がかかる

マイクロコンバージョンポイントを増やしすぎると、広告運用の手間が必要以上にかかってしまいます。タグの作成やレポートの集計などが複雑にならないように、最小限のマイクロコンバージョンを設定しましょう。

Google広告のマイクロコンバージョンの設定方法

Google広告でマイクロコンバージョンを設定するには、Google広告の管理画面でタグを作成したあと、Googleタグマネージャーの管理画面で設定を行う必要があります。具体的な手順は次の通りです。

【STEP1】 Google広告の管理画面でコンバージョンタグを作成する

Google広告の管理画面にアクセスし、マイクロコンバージョンを測定するためのタグを作成しましょう。

1. コンバージョン設定画面へアクセス

画面右上の「ツールと設定」をクリックし、「測定」→「コンバージョン」をクリックします。

コンバージョン.jpeg

2. コンバージョンアクションを追加

+新しいコンバージョンアクション」のボタンをクリックします。

新しいコンバージョンアクション.jpeg

表示されたコンバージョンアクションのうち、適したアクションをクリックします。今回はコンバージョンの種類として「ウェブサイト」を選択します。

ウェブサイト.jpeg

3. コンバージョンアクションの詳細を設定

コンバージョン測定の対象とするWebサイトドメインを入力し、「スキャン」をクリックします。

スキャン.jpeg

ページ下部の「+手動でコンバージョンアクションを追加」をクリックします。

手動でコンバージョンアクションを追加.jpeg

コンバージョンの詳細を入力し、「完了」をクリックします。

完了.jpeg

4. コンバージョンIDとラベルを記録する

Googleタグマネージャーを使用する」をクリックし、「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」をメモした上で、「完了」をクリックします。

完了2.jpeg

以上で、Google広告の管理画面で行う設定は完了です。

【STEP2】 Googleタグマネージャーで設定を行う

次に、Googleタグマネージャーの管理画面にアクセスし、トリガータグの設定を行います。

Googleタグマネージャーを使用していない場合は、アカウントを作成した上で、自社のWebサイトのソースコードに所定のタグを設置してください。

1. Googleタグマネージャーの管理画面でトリガーを追加

画面左メニューの「トリガー」をクリックし、右上の「新規」をクリックします。

新規.jpeg

2. トリガーの詳細を設定

トリガータイプの選択画面で「ページビュー」をクリックします。

ページビュー.jpeg

一部のページビュー」を選択し、マイクロコンバージョンポイントとして設定したいページURLを入力します。

一部のページビュー.jpeg

3. タグを追加

画面左メニューの「タグ」をクリックし、右上の「新規」をクリックします。

タグ新規.jpeg

タグの設定」をクリックします。

タグの設定.jpeg

Google広告のコンバージョントラッキング」をクリックします。

Google広告のコンバージョントラッキング.jpeg

4. タグの詳細を設定

【STEP1】でメモしたコンバージョンIDコンバージョンラベルのほか、必要な情報を入力します。

コンバージョンID_ラベル.jpeg

画面下部の「トリガー」をクリックします。

トリガー.jpeg

前述の手順で設定したマイクロコンバージョン測定用のトリガーを選択します。

マイクロコンバージョン測定用のトリガー.jpeg

画面右上の「保存」をクリックします。

保存.jpeg

以上の手順で、Googleタグマネージャーの設定は完了です。

Google広告のマイクロコンバージョンの確認方法

タグなどの設定が終わった後、Google広告経由で発生したマイクロコンバージョンを確認するには、GoogleタグマネージャーGoogle広告の両方で設定が正しく行えているか確認が必要です。具体的な方法は次の通りです。

1. Googleタグマネージャーからプレビューにアクセスする

Googleタグマネージャーの画面右上にある「プレビュー」をクリックします。

プレビュー.jpeg

「Tag Assistant」の画面が表示されたら、マイクロコンバージョンを計測するWebサイトURLを入力しましょう。画面の案内に従って操作を進めることで、設定の確認が可能です。

Tag Assistant.jpeg

2. Google広告からマイクロコンバージョンを確認する

Google広告の管理画面にアクセスし、レポート右上の「分類」→「コンバージョン」→「コンバージョンアクション」をクリックします。

分類_コンバージョンアクション.jpeg

マイクロコンバージョンが設定されているキャンペーンのデータが2行に分かれ、下の行にマイクロコンバージョンのCV数が表示されます。

マイクロコンバージョンのCV数.jpeg

複数のマイクロコンバージョンを設定している場合も、同じ手順でそれぞれのCV数を確認することが可能です。

Google広告でマイクロコンバージョンを設定する際のポイント

Google広告でマイクロコンバージョンを設定する際は、各項目の決め方が重要です。ここでは、マイクロコンバージョンを設定する際のポイントを紹介します。

狙いたいCVと関連しているマイクロコンバージョンを設定する

マイクロコンバージョンには、最終的に狙いたいコンバージョンと関連性の高いアクションを選ぶことが大切です。

例えば、ホワイトペーパーのダウンロードが最終的なコンバージョンの場合、ダウンロードページへのアクセスはマイクロコンバージョンとして適切です。一方、商品詳細ページへのアクセスなどは関連性が低く、マイクロコンバージョンとして有効ではありません。

サイトの行動分析を基にマイクロコンバージョンを考える

アクセス解析ツールなどで取得したユーザーの行動データは、マイクロコンバージョンポイントを考える際の参考になります。

例えば、ECサイトで最終的な商品購入に至っているユーザーの多くが「送料について」のページにアクセスしていた場合、そのページへのアクセスがマイクロコンバージョンポイントとして有効な可能性があります。

このようにコンバージョンに至った多くのユーザーに共通する行動を分析し、マイクロコンバージョンを考えましょう。

ユーザー行動を逆算してマイクロコンバージョンを決める

Webサイトを立ち上げたばかりなどで参考データがない場合には、ユーザー行動を逆算してマイクロコンバージョンを決めましょう。

例えば「オンラインセミナーへの申し込み」が最終的なコンバージョンの場合、申し込みに至るユーザーはセミナー内容やスケジュール、講師のプロフィール、過去のイベントレポートなどに興味を持つ可能性があります。

コンバージョンに至る見込み度の高いユーザーがアクセスしそうなページや、クリックしそうなリンクなどを逆算し、マイクロコンバージョンを決めましょう。

Google広告管理画面の見方は以下の記事で詳しく解説しています

Google広告管理画面の見方を解説。基本メニューと課題を発見するポイント

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マイクロコンバージョンでGoogle広告を効果的に運用しよう

マイクロコンバージョンは、Google広告の標準機能とGoogleタグマネージャーを組み合わせることで測定できます。

マイクロコンバージョンの設定により、コンバージョンに至る前のユーザー行動を数値化して捉えられるため、より効果的なGoogle広告の運用が可能です。

最終的なコンバージョンに至るまでのユーザー行動を考えた上で、適切なマイクロコンバージョンを設定しましょう。