2015年9月10日の記事を再編集しています。

初めて自社ホームページ運営の担当になったとき、最初にぶつかる壁のひとつがアクセス解析です。Googleアナリティクスなどの解析ツールを使いながら、日々のホームページ改善に頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。

Googleアナリティクスを使っていると、「not provided」と表示されることがあります。ただ、この「not provided」の意味をしっかり理解できているでしょうか。

GoogleやYahoo!が検索エンジンのSSL化を行ったことでnot providedの割合が増えました。

参考:
Yahoo! JAPANサービスは常時SSL(AOSSL)に対応します|Yahoo! JAPAN

「not provided」の意味を理解し、きちんとセキュリティ対策を講じることは、自社ホームページとユーザーを守ることにもつながります。この機会に押さえておきましょう。

not providedとは

「not provided」は、アクセス解析ツールにおいて、ユーザーがサイトに訪問した時の検索キーワードが検索エンジンから提供されなかった場合に表示されます。

Googleでは SSLを通じた接続を行っているため、 Google検索でのサーバーとのデータのやりとりが暗号化されます。

Googleアナリティクスはユーザーのセキュリティとプライバシー保護を重視しているため、暗号化されたデータについては表示されません。その保護対象となっているGoogle検索でのデータが「not provided」と表示されます。

また、SSLによる暗号化ではなく、システムや通信エラーによって物理的にデータを取得できない場合「not set」と表示されます。こちらも参考までに覚えておきましょう。

参考:
Google アナリティクスでウェブ トラフィックの安全性を確保する方法 - アナリティクス ヘルプ
最低限理解しておくべきGoogleアナリティクス用語17選|ferret [フェレット]

SSLとは

SSLとは「Secure Sockets Layer」の略で、インターネット上における通信を暗号化する技術のことです。

今や、インターネット上での買い物やイベントの予約、金銭の振り込みや引き落としなどはごく日常的に行われています。こうした取引はインターネットのWebページを通して行われていますが、その際に買い物に使ったクレジットカードの番号が盗まれたり、取引金額が改ざんされるリスクがあっては安心して利用することができません。そのようなリスクをなくすために生まれたのが、SSLです。

また、自社ホームページをSSL化することで、リファラ情報を取得できるようになります。リファラ情報から、ユーザーが自社ホームページに訪れる際、どこのホームページを経由して訪れたか直前のページを受け取ることができます。

SSL対応ページの見分け方

SSLを導入しているページは、アドレスが「http~」ではなく、「https~」から始まり、左端に鍵マークがついています。

「https」の「s」はsecureを表しており、SSLが導入されていることを示します。

not providedの対策方法

検索エンジンへのSSL化が進むにつれ、「not provided」の表示頻度は増してきます。とはいえ、ユーザーの検索キーワードを知ることはユーザー理解に役立つため、非常に重要でもあります。それでは、ホームページ運営者はどのようにこの「not provided」に対策を打てばよいのでしょうか。

Google Search Consoleを使う

Google Search Consoleを利用することで、Googleアナリティクスでは取得できない検索キーワードを調べることができます。検索アナリティクス(検索クエリ)という機能を使うことで検索キーワード、特定のキーワードで検索された回数、自社ホームページがクリックされた回数、クリック率(CTR)、表示順位を知ることができます。

Googleアナリティクスがホームページに訪問したユーザーのデータを解析するのに対し、Google Search Consoleは訪問前のデータから取得するため、Googleアナリティクスよりもキーワードデータを取得しやすいという特徴があります。

参考:
【完全版】SEO対策に役立てるウェブマスターツール(Google Search Console)マニュアル|ferret

他社ツールの活用

Google以外が提供するツールを活用するのも一手です。

SimilarWeb

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SimilarWeb

SimilarWebは、イスラエル発の分析ツールです。日本国内では株式会社ギャプライズがサポートを行っています。ホームページURLを入力することでトラフィックやnot providedを含むキーワード、ソーシャルメディアアプリなどを分析できます。

独自のクローラーで分析を行っているため、必ずしも正確な数値で分析できるものではありませんが、競合他社の傾向を掴むために活用できます。

参考:
SimilarWeb(シミラーウェブ)の使い方~競合ホームページのデータが丸はだか!|ferret

ahrefs

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ahrefs

ahrefsは、ウクライナやシンガポールの企業が開発・提供しているツールです。Googlebotの約3倍を誇る量のクロールを行い、膨大な量のバックリンクデータを保持しているのが大きな特徴です。その膨大のデータ量により、他のツールではできないような細かい被リンク分析を行えます。

まとめ

インターネットが普及するにつれて、ユーザーの安全性を確保するためにSSL化が進んでします。ただ、「not provided」の表示割合が増えてしまうことは、Web担当者にとっては歓迎できることではありません。

Yahoo!もSSL化したことにより、Googleアナリティクス上での「not provided」は増えると思われますが、Google Search Consoleなど他のツールを使うことでカバーできる部分は多々あります。1つのツールに頼り切るのではなく、いくつかのツールを併用し、それぞれのデータを包括的に分析できるようになると改善施策の幅も広がるため、積極的に活用していきましょう。