皆さんはオウンドメディアと聞いて何を思い浮かべますか。

ブログコーポレートサイトでしょうか。自社のFacebookページでしょうか。
実は、前者(ブログコーポレートサイト)はオウンドメディアで、後者はアーンドメディアと言います。では、これらには一体どんな違いがあるのでしょうか。

本記事では、オウンドメディアとは一体何なのか、意味やメリット・デメリット、効果的な作り方について詳しく解説します。また、成功事例として「ferret」「花王の顔」「ビギナーズ」を紹介し、どのようにしてオウンドメディアが企業の成長に効果を与えるのかを紹介します。

ゼロからわかる オウンドメディア 立ち上げガイド

ゼロからわかる オウンドメディア 立ち上げガイド

オウンドメディアの立ち上げに欠かせない基礎知識から、具体的なノウハウまでを解説した資料です

目次

  1. オウンドメディアとは|意味をわかりやすく解説
    1. ペイドメディア
    2. アーンドメディア
    3. オウンドメディアの目的
    4. オウンドメディアとホームページの違い
  2. オウンドメディアの種類
    1. 公式サイト型
    2. 独立型
  3. オウンドメディアが流行っている3つの理由
    1. 広告の効果が薄れてきている
    2. コンテンツの資産化
    3. Googleのアルゴリズム変化
  4. オウンドメディアを運用する4つのメリット・効果
    1. コンテンツの資産化による長期的なアクセス獲得
    2. 検索エンジンへの最適化による集客力の向上
    3. ブランディングによる認知度向上
    4. SNSの情報拡散による新規顧客の獲得
  5. オウンドメディアを運用する3つのデメリット
    1. 初期費用・制作費用が必要になる
    2. 効果が出るまでに時間がかかる
    3. 運営・管理・改善に長期的コストがかかる
  6. オウンドメディアと集客の関係性
  7. ビジネスブログでオウンドメディアを作る上で押さえておきたい3つのポイント
    1. 独自ドメインを取得する
    2. スマホに対応したCMSを選ぶ
    3. 効果測定のしやすいマーケティングオートメーションツールの導入を検討する
  8. 【作成・運営手順】オウンドメディアの作り方
    1. オウンドメディアの目的・コンセプト・目標設定
    2. ターゲット・ペルソナを設定
    3. 取り扱うコンテンツのジャンルやメディアタイプを決定
    4. ブランディングを決定
    5. オウンドメディアサイトへの集客
    6. コンテンツの制作体制を構築
    7. 公開
  9. オウンドメディアの成功事例3選
    1. ferret
    2. 花王の顔
    3. ビギナーズ
  10. オウンドメディアをマーケティングに上手に活用しよう!

オウンドメディアとは|意味をわかりやすく解説

オウンドメディアとは|意味をわかりやすく解説
オウンドメディアとは、英語のOwned Mediaのことで、「Own+Media(所有+メディア)」で所有し、自社の情報を発信するメディアです。
所有しているメディアですので、Webだけに限らずカタログや広報誌などの紙媒体なども含むのが一般的です。もちろんブログもオウンドメディアに含まれます。

また、オウンドメディアとセットで語られることが多いのが「ペイドメディア(Paid Media)」と「アーンドメディア(Earned Media)」です。

ペイドメディア

ペイドメディアとは、「Pay+Media(払う+メディア)」でリスティング広告やマス広告などでお金を支払い掲載するメディアです。

アーンドメディア

アーンドメディアとは、「Earn+Media(評判+メディア)」でTwitterやFacebookなどのSNSなどで評判獲得や口コミの効果を狙うメディアです。

これら3つを合わせてトリプルメディアといいます。基本的に、Webでの情報発信は上記3つのどこかで行われます。

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オウンドメディアの目的

オウンドメディアの主な目的は、主に次の5つです。

  • リード獲得
  • 認知拡大
  • ブランディング
  • 採用力の強化
  • 直接的な収益化

リード獲得では、質の高いコンテンツを通じて見込み顧客を引き付け、問い合わせ数を増加します。認知拡大は、興味・関心を引くコンテンツを提供してターゲットユーザーに自社を知ってもらうきっかけを作ることです。

ブランディングでは、一貫したメッセージやコンテンツを発信し、ブランドイメージを確立します。採用力の強化は、社員インタビューやイベント情報などを通じて求職者に会社の魅力を伝えます。

直接的な収益化は、一定のトラフィックを集めて広告収入やアフィリエイトで収益を上げることを目指しますが、多くのトラフィックと時間が必要です。

オウンドメディアとホームページの違い

オウンドメディアとホームページの違いは、主に次の3つです。

  • 目的と役割
  • コンテンツの種類
  • ターゲット

オウンドメディアの目的は、ユーザーとの接点を増やし商品やサービスの理解を深め、見込み顧客や既存顧客へ価値提供を行うことにあります。一方、ホームページの目的は会社の概要や企業理念、代表挨拶、事業内容などを紹介し、ステークホルダーに情報提供を行うことです。

コンテンツの種類も異なり、オウンドメディアはユーザーの関心を引く具体的な情報を提供する一方、ホームページは会社に関する基本的な情報を提供します。

ターゲットも異なり、オウンドメディアは主に見込み顧客や既存顧客をターゲットとしている一方、ホームページは顧客、取引先、従業員、投資家などの幅広いステークホルダーをターゲットとしています。

オウンドメディアの種類

オウンドメディアの種類
オウンドメディアの種類は、主に次の2種類です。

  • 公式サイト型
  • 独立型

それぞれ解説します。

公式サイト型

公式サイト型のオウンドメディアは、自社のドメイン内で運営され、企業の公式サイトとしての役割を果たします。企業の製品やサービスの紹介、企業情報の提供を中心に行います。

また、ブログやニュースページを設け、ユーザーに向けたコラム記事や役立つ情報発信によって、ブランドの信頼性を高め、顧客との関係を深めることが目的です。

独立型

独立型のオウンドメディアは、公式サイトとは別に運営されるサイトです。見た目も公式サイトとは異なり、独自のデザインやコンテンツで運営されます。

独立型は、企業の商品やサービスに直接関連しない情報や、見込み顧客に向けた有益なコンテンツが多いです。ユニークで遊び心のあるデザインや視点を活用し、幅広いユーザー層を惹きつけることを目的としています。

オウンドメディアが流行っている3つの理由

オウンドメディアが流行っている3つの理由
ペイドメディアもアーンドメディアも、活かすためには自社からの情報発信が重要です。そのためにも、まず最初に自社で所有するメディアで自社の情報を掲載することができるオウンドメディアの重要性は高まる一方です。

広告の効果が薄れてきている

世の中に流通している情報量は、人が消費できる情報量を圧倒的に凌駕しています。
この画像は、世の中の情報流通量と、消費量を表しています。
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画像引用:5分でわかるFacebookビジネス活用入門 - フルバージョン

オレンジの消費量に対して、グレーの流通量は圧倒的に多く、ほとんどの情報量が消費されずに垂れ流されていることが分かります。このように、圧倒的に情報量が多い世の中では、普通ユーザーは興味もないものには振り向きもしません。

広告をやっていれば集客ができた時代は終わったということになります。

コンテンツの資産化

ペイドメディアのように一時的にアクセスをお金で購入し集めてくるものと違い、オウンドメディアなどで質の高いコンテンツを発信していると、Googleが良質なコンテンツとして上位表示してくれるようになり、コンテンツは段々と資産化していきます。
上位表示された場合、継続的なアクセスが望めるようになります。

Googleのアルゴリズム変化

Googleは以前、リンクの多く集まるコンテンツは質が良いと判断していたため、自分たちの言いたいことだけを載せたページを作成し、そこに被リンクを多く集める手法が流行りました。しかし、Googleのアルゴリズムの変化により、そのようなページではアクセスが集められなくなり、コンテンツマーケティングのようにオウンドメディアにコンテンツを集約しアクセスを集める手法が注目されました。

オウンドメディアを運用する4つのメリット・効果

オウンドメディアの4つのメリット・効果
オウンドメディアのメリットや効果は、主に次の4つです。

  • コンテンツの資産化による長期的なアクセス獲得
  • 検索エンジンへの最適化による集客力の向上
  • ブランディングによる認知度向上
  • SNSの情報拡散による新規顧客の獲得

それぞれ解説します。

コンテンツの資産化による長期的なアクセス獲得

1つ目のメリットは、コンテンツの資産化による長期的なアクセス獲得です。

オウンドメディアで一度作成したコンテンツは長期的に資産となり、持続的にアクセスを集められます。特に、質の高いコンテンツ検索エンジンで上位表示されやすく、時間が経ってもユーザーからのアクセスが続きます。

上位表示の継続により、広告費をかけずに自然検索からの安定したトラフィックを得ることが可能です。定期的に更新し続けることで、さらにSEO効果が高まり、長期的なアクセス増加につながります。

検索エンジンへの最適化による集客力の向上

2つ目のメリットは、検索エンジンへの最適化による集客力の向上です。

検索エンジン最適化(SEO)を行うことで、特定のキーワードで上位表示を狙い、自然検索からの集客力が向上します。広告に頼らず多くのユーザーをサイトに誘導可能です。

SEOの効果が持続するため、長期的な集客力の向上が期待できるでしょう。また、ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツ提供によって、サイトの信頼性や権威性も高まり、さらなるトラフィック増加につながります。

ブランディングによる認知度向上

3つ目のメリットは、ブランディングによる認知度向上です。

オウンドメディアは、一貫したメッセージやブランドストーリーの発信によって、企業の認知度や信頼度を高める効果があります。定期的に価値のある情報提供で、ユーザーとの長期的な関係を築き、ブランドのファンを増やせます。

こうしたブランディング活動を通じて、企業の価値観やビジョンをユーザーに伝え、ブランドイメージを強化できるでしょう。結果として、顧客のロイヤルティが向上し、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得につながります。

SNSの情報拡散による新規顧客の獲得

4つ目のメリットは、SNSの情報拡散による新規顧客の獲得です。

SNSの活用によって、オウンドメディアで発信したコンテンツが幅広く拡散され、新規顧客の獲得につながります。質の高いコンテンツがSNSでシェアされることで、短期間で多くのユーザーにリーチでき、サイトへのアクセス数が増加します。

SNS上で話題になったコンテンツは信頼性が高まり、潜在顧客の興味を引けるため、従来の広告手法よりも効果的に新規顧客獲得が可能です。

オウンドメディアを運用する3つのデメリット

オウンドメディアを運用する3つのデメリット
オウンドメディアのデメリットは、主に次の3つです。

  • 初期費用・制作費用が必要になる
  • 効果が出るまでに時間がかかる
  • 運営・管理・改善に長期的コストがかかる

それぞれ解説します。

初期費用・制作費用が必要になる

1つ目のデメリットは、初期費用・制作費用が必要になる点です。

オウンドメディアの立ち上げには、デザインやコンテンツ制作のための初期費用が必要です。特に、プロフェッショナルな外部リソースを利用する場合、立ち上げ費用はさらに増加します。

サイトのコンセプト設計やペルソナ設定、SEO対策を施したコンテンツ制作など、初期段階での設計には投資が必要です。勝ち筋から逆算した初期費用を正しく見積もった、計画的な予算の確保が重要になります。

効果が出るまでに時間がかかる

2つ目のデメリットは、効果が出るまでに時間がかかる点です。

オウンドメディアの効果が現れるまでには時間がかかりますSEO対策やコンテンツマーケティングの成果が出るまでには数ヵ月から数年を要し、短期間での成果は期待できません。

質の高いコンテンツを継続的に提供していたとしても、検索エンジンの評価を受けるまでには時間がかかるため、即効性を求める場合には適していません。忍耐強く運営を続けることが重要です。

運営・管理・改善に長期的コストがかかる

3つ目のデメリットは、運営・管理・改善に長期的コストがかかる点です。

オウンドメディアの運営には、継続的なコンテンツ更新やサイトのメンテナンスが必要です。さらに、アクセス解析やSEO対策の改善作業を行うためのリソースも求められます。

メンテナンスや更新といった運営作業には、人的リソースと費用が長期的に発生するため、立ち上げ段階で成果から逆算した予算管理とリソースの確保が必要です。

オウンドメディアと集客の関係性

オウンドメディアと集客の関係性
オウンドメディアと集客には、次の2つの関係性があります。

  • オウンドメディアはコンテンツマーケティングがやりやすい
  • オウンドメディアはSEOによる集客が行いやすい

それぞれ解説します。

オウンドメディアはコンテンツマーケティングがやりやすい

コンテンツといえば、動画、音声、ウェブセミナー、資料ダウンロードなど様々な形式がありますが、導入ハードルが最も低いのはブログなどによるテキストを中心としたコンテンツ発信です。

この際、アメブロやライブドアブログなどの無料ブログを用いる手もありますが、ビジネスブログは長期的に運用すべきものと考えると、ドメインの強化に繋がらない無料ブログは使わないほうが良いでしょう。

最近では、非常に簡単にビジネス用のブログを作成出来るCMS(ツール)も出てきていますし、掲載する記事については今まで顧客に対して提供してきたノウハウや問題の解決手段を記事化することで対応が可能です。

例えば、最も有名なCMSである「WordPress」は、多くのビジネスブログでも採用されており、プラグインも豊富で機能を追加していくことが可能です。

また、弊社が提供している「ferret One」のようなツールの場合、CMS機能以外にもアクセス解析や問い合わせ管理、リスト管理、メールマーケティング機能などが一体となっており、ビジネスブログを運用するために必要な機能が予め揃えています。

オウンドメディアはSEOによる集客が行いやすい

オウンドメディア構築において、ビジネスブログをオススメする理由は他にもあります。

テキストを中心とした「記事」をコンテンツにすることで、SEOによる集客が行いやすいということ。そしてもう1つが、他のメディア形式に比べてコンテンツが作りやすいといったことが挙げられます。

オウンドメディアを立ち上げてコンテンツを配信しても、ターゲットとするユーザーに見てもらえなければ意味がありません
その際、ポイントになってくるのが検索エンジン経由の流入、つまり検索エンジン対策SEO)です。

SEO関連の機能を持ったCMSやプラットフォームを利用したオウンドメディアであれば、最初から検索エンジン対策がある程度行われているので、そこにつぎ込む費用や時間を削減することができます。

また、掲載するコンテンツ(記事)に関しても、ユーザーが求めていて、かつ自社が持ち合わせるノウハウなどをコンテンツにすれば良いので導入のハードルが下がります。

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ビジネスブログでオウンドメディアを作る上で押さえておきたい3つのポイント

オウンドメディアを作る上で押さえておきたい3つのポイント
そんな導入ハードルが低く、効果を出しやすいビジネスブログによるオウンドメディアですが、立ち上げるためのポイントとしては次の3点があります。

  • 独自ドメインを取得する
  • スマホに対応したCMSを選ぶ
  • 効果測定のしやすいマーケティングオートメーションツールの導入を検討する

それぞれ見ていきましょう。

独自ドメインを取得する

ビジネスブログを立ち上げる際にオススメしているのは、独自ドメインで立ち上げられるCMSを用いる方法です。

アメブロなど無料で利用できるブログサービスのようにサービスのドメインの配下、もしくは提供されるサブドメインで公開する形式のものよりも、ブランド的にもSEO的にも多くのメリットが享受できるのでオススメです。

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手軽かつ無料でも始められるということで、上記のような無料ブログサービスを利用して実施するケースもありますが、ブランディングや後々の移転の手間などを考えると最初から独自ドメインを取得してオウンドメディアを作る方が良いです。

スマホに対応したCMSを選ぶ

また、スマートフォンに対応したサイトが構築できるCMSを利用することも重要なポイントです。
今から立ち上げるオウンドメディアは、スマートフォン対応が必須となりますので、この機能要件は外せません。

効果測定のしやすいマーケティングオートメーションツールの導入を検討する

公開後に必要となるのは効果測定です。作って終わりになってはパフォーマンスは絶対に改善しません。せっかく作ったのであれば、パフォーマンスを改善させることは重要です。

標準的なアクセス解析のほか、コンテンツの貢献度を計測したり、サイト内の行動解析を行うことでより戦略的なメディア運用が可能となりますので、これらの機能が提供されているマーケティングオートメーションの導入も検討してみましょう。

【作成・運営手順】オウンドメディアの作り方

【作成・運営手順】オウンドメディアの作り方
そんな導入ハードルが低く、効果を出しやすいビジネスブログによるオウンドメディアですが、オウンドメディアの作り方には、次の7つの手順があります。

  1. オウンドメディアの目的・コンセプト・目標設定
  2. ターゲット・ペルソナを設定
  3. 取り扱うコンテンツのジャンルやメディアタイプを決定
  4. ブランディングを決定
  5. オウンドメディアサイトへの集客
  6. コンテンツの制作体制を構築
  7. 公開

それぞれ解説します。

オウンドメディアの目的・コンセプト・目標設定

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立ち上げには労力が掛かりますので、その過程において「立ち上げることが目的」にすり替わってしまう傾向があります。
しかし、メディアは立ち上げただけでは何の意味がありません。

目的やゴールは曖昧にせず、立ち上げる目的と結果として何を得たいのかをしっかりと設定しましょう。

ターゲット・ペルソナを設定

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すでにターゲットユーザーのペルソナがある場合は、そのターゲットユーザーが欲しがる情報は一体何なのか?を考えていきます。
設定されていない場合は、設定した目的・ゴールを達成するために、オウンドメディアのターゲットユーザーを象徴するペルソナの策定を行います。

※ペルソナについては下記の記事に詳しく解説があります。
参考:ホームページ運営に欠かせない!ペルソナの設定方法とは?

また、ここで決めた目的とゴール、ペルソナは誰でも確認できるように明文化しておくことをオススメします。

オウンドメディアの立ち上げ期では「果たしてこのまま進めて良いのだろうか?」というような迷いが必ず生じますが、このような状態に陥ったときにプロジェクトに関わるメンバー全員を立ち戻らせることのできる指標を持っているかどうかによってその成否が大きく変わってきます。

この手法は古くから用いられてきましたが、目的やペルソナを明文化しておくことで、共通認識を持った上で「何を軸に物事を決定すべきか」といった正しい判断を下すことができます。

取り扱うコンテンツのジャンルやメディアタイプを決定

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ターゲットユーザーであるペルソナに向けてどのような情報をどのような形で届けることが最適であるかを考え、オウンドメディアで取り扱うコンテンツのジャンルやメディアの形式を決定します。

これらは、プロジェクトを進める中で少しずつ調整を行っていく必要もありますが、常にペルソナを意識しながら決定していきましょう。

ここで私たちが分類しているコンテンツジャンルの一部をご紹介します。

  • 初心者向けの情報としてまとめた「基礎知識系」
  • 最新の出来事や業界のトレンドなどを伝える「ニュース系」
  • 具体的な使い方や実践方法を伝える「ハウツー系」
  • 悩みに対する答えや解決策をコンテンツとした「Q&A系」
  • 幅広いユーザー層に支持される可能性が高い「お役立ち系」
  • 主に他のサイトの情報などを整理して一覧性を高めた「まとめ系」
  • 統計やアンケートデータなどをまとめた資料価値の高い「統計・調査系」
  • 公開から時間が経っても必要とされ続ける「辞書系」
  • 実際の使用感や体験を伝える「レビュー・事例系」
  • 思わず誰かに広めたくなるような「ソーシャル拡散系」

ブランディングを決定

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ここで決定するサイトの「見え方」とは、立ち上げたオウンドメディアが「ユーザーからどのような印象を持って見られるか」といった部分に大きく影響してきます。

ブログ名、ドメインを決める

ブログ名や、ドメインURL)は一度決定すると後から変更することが難しい性質のものです。
また、決定にはある程度時間を要しますので、あらかじめ余裕を持って進めていきましょう。

オウンドメディアのテイスト、デザインの方向性を決める

実際のデザインはサイト制作フェーズで行いますが、メディア全体を印象づけるテイストについては、ここである程度の方向性を固めておきます。

デザインについてもメディアの目的とゴールに寄与するものでなければなりません。
好き嫌いで決定してしまわないように、このフェーズで方向性を決定しておく事が重要です。

オウンドメディアサイトへの集客について

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集客の基本はSEOになりますが、集客の流れをあらかじめ考えておく必要はあります。
少なくとも立ち上げ期と運用期、それぞれの戦略を考えておきましょう。

オウンドメディア立ち上げ期

メディアの立ち上げ期は、当然、認知度がない状態ですので検索エンジンからの流入はそれほど多くはありません。
まずは、オウンドメディアのPR活動や広告媒体を利用した宣伝などを行なうことになります。

私たちが行うPR活動は、主に下記のような取り組みがあります。

  • コーポレートサイトへの情報掲載する
  • プレスリリースを配信する
  • FacebookやTwitterなどを利用したソーシャルメディアを活用した告知を行う
  • メールの署名欄などにメディアの情報を記載する

地道なRP活動がやがて数字となって現れてきますのでしっかりと取り組みましょう。
また必要に応じて、他媒体の記事広告メニューの活用を検討しても良いかもしれません。

オウンドメディア運用期

運用期は検索エンジンからの自然流入(SEO対策)や、ソーシャルメディアからの流入を中心に施策を行います。

メディア立ち上げ時に計画した流入キーワードが期待通りのアクセスを得ているかどうかを確認したり、想定していなかった流入キーワードから新たなユーザーニーズを汲み取ったりするなど、検索エンジン経由の来訪ユーザーの期待に応えるコンテンツを計画的に公開していきます。

ソーシャルメディアについては、拡散されやすい情報を分析してコンテンツ制作に活かしましょう。
ターゲットとしているユーザーの属性から、Facebookとtwitterのどちらが効果的か把握することも重要です。

また、拡散という意味では他媒体に掲載されるのは、どうすればいいかも合わせて検証することをオススメします。

集客にかけるコストやスケジュール

オウンドメディアの集客は、一般的に広告よりもコンテンツの制作費用やサイトの運用費の比重が高くなります。

コンテンツを中心としたSEOソーシャルメディア施策を前提に、必要であれば認知拡大や新規ユーザー獲得といった明確な目標とタイミングを設定した上で、広告費用を投じる施策を織り交ぜていきます。

取り扱うコンテンツのジャンルにもよりますが、スマートフォンで人気のニュースアプリ広告メニューを利用すると、大きなトラフィックを得ることも可能となってきます。
ただし、ある程度まとまった予算が必要となりますので慎重に検討しましょう。

オウンドメディアの集客にかけるコストには、主に下記が想定されます。

  • コンテンツの制作費用(ライティングや画像など)
  • 立ち上げ期のPR活動費用
  • FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア広告費用
  • スマートフォンアプリや他メディアを利用した広告費用

SEOは中長期的な施策ですが、広告は即効性があります。
その特性を踏まえてバランスよくスケジュールを組み、集客施策が効果的となるように計画していきましょう。

コンテンツの制作体制を構築

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自社内で専属のコンテンツ制作チームを構築できる場合は良いですが、現実的にはなかなか難しいものです。
質の高いコンテンツを提供できなければターゲットユーザーの信頼を得ることができず、最終的な顧客となってもらえないわけですから、ここは悩ましいポイントです。
どうすれば、質の高いコンテンツを生み出す体制を構築できるでしょうか。

骨子を決める

どのようなコンテンツがユーザーに求められているのか、ペルソナから考えていき、コンテンツの骨組みを作ります。
コンテンツ制作を外部に依頼する場合も、社内で制作する場合も、骨子がしっかりしていなければ誰に向けたコンテンツであるかが曖昧となり、結果的に誰にも響かないコンテンツとなってしまう可能性があります。

骨子を元にコンテンツを制作する

ベストな選択肢もちろん社内でコンテンツ制作チームを持つことです。
既存顧客に提供しているノウハウなどからコンテンツを自社で作成することができれば良いですし、オウンドメディアの構築や運用のノウハウが社内に蓄積されるというメリットが享受できます。

それ以外にも記事のライティングなど、一部の制作業務でクラウドソーシングを活用する方法もあります。
クラウドソーシングは、コストパフォーマンスに優れる面がありますが、制作物の品質チェックやスケジュール管理など、社内でディレクションができるメンバーが必要となり、ある程度の手間も発生します。ただし、依頼する記事の骨子を事前に決定しないと、想定している記事にならない場合がありますので、その点は慎重に行いましょう。

コンテンツ制作を丸ごと制作会社に委託する方法もあります。コスト面ではクラウドソーシングを利用するよりも高くなりますが、ディレクション業務も含めて任せることができるので社内メンバーの負担は軽くなります。この際も、クラウドソーシング同様に全てをまかせてしまうと自社にノウハウは残りませんので、しっかりと自分たちが考える内容を伝えるようにしましょう。

公開

いよいよ戦略に基づいて制作されたサイトとコンテンツが揃ったら、あとは公開作業と初期運用フェーズとなります。

公開日・公開時間などは、取り扱う情報によって効果のあるタイミングが異なりますので、他社の事例やノウハウを参考に決めていきましょう。

公開作業

公開作業は、システム担当者なども含めて事前に段取りを確認して行いましょう。

公開後はPRを行う前に、パソコン・スマートフォン・タブレットなどの各種デバイス別の表示やブラウザ別の表示を確認することを忘れないようにしてください。
パソコンをベースに記事やコンテンツを制作しているとスマホで見たときに読みづらい、見づらくなりがちです。
スマホでも見やすくなっているか、必ずチェックしましょう。

また、Facebookのいいね!ボタンやTweetボタンが正しく動作するかもしっかり確認してください。

PR活動

オウンドメディアの公開とチェックが終わったら次はPR活動を行います。

事前に準備しておいたプレスリリースを配信したり、ソーシャルメディアを活用してFacebookやTwitterを利用しているユーザーに告知をすることにより、オウンドメディアへの来訪を促しましょう。

効果測定

アクセス数やコンバージョンの状況など、あらかじめ設定しているKPIの数値を確認します。
アクセス解析機能やチャネル分析機能を利用して、公開後の反響を確認しながら、計画通りに進行しているかチェックしていきましょう。

オウンドメディアの成功事例3選

【分野別】オウンドメディアの成功事例3選
オウンドメディアの成功事例は数多く存在しますが、今回紹介する事例は主に次の3つです。

  • ferret
  • 花王の顔
  • ビギナーズ

それぞれ紹介します。

ferret|マーケターに必要な最新情報を常に提供

ferret」は、Webマーケティング支援企業ベーシックが運営する、日本最大級のWebマーケティングメディアです。マーケター向けに最新の情報やノウハウを提供し、SEO対策やリード獲得に成功しています。

月間500万PVを超え、会員登録数も50万人と高い成果を上げています。検索エンジンからの流入を中心に、質の高いコンテンツを提供し続けることで、マーケティング分野での信頼を築いているメディアです。

花王の顔|BtoB向けに最新技術や基盤技術研究を紹介

花王の顔」は、花王が運営するBtoB向けのオウンドメディアで、最新技術や基盤技術の研究成果を紹介しています。

洗剤や化粧品の開発ストーリーや、環境問題に対する取り組みを詳細に伝えることで、企業の技術力と信頼性をアピールしています。特に、ファインファイバー技術やバイオiOSなど、革新的な技術をわかりやすく解説し、専門分野の関心を引きつけているメディアです。

ビギナーズ|趣味が欲しい方に幅広い楽しみを紹介

ビギナーズ」は、ネット型リユース事業などを行う株式会社マーケットエンタープライズが趣味探しをテーマにしたメディアで、趣味がない人や新しい趣味を見つけたい人に向けて、幅広い選択肢を提供しています。映画や読書、スポーツ、音楽、アウトドアなど多彩なジャンルをカバーし、それぞれの楽しみ方や始め方を紹介しています。

初心者でも取り組みやすいように、具体的なアドバイスや体験談を交えたコンテンツが特徴です。趣味を通じて生活を豊かにする情報を提供し、多くのユーザーから支持を得ているメディアです。

オウンドメディアをマーケティングに上手に活用しよう!

オウンドメディアをマーケティングに上手に活用しよう!
オウンドメディアの立ち上げについては、知識や経験がなければ取り組むことが難しいと思われるかもしれませんが、比較的導入しやすいビジネスブログであればネット上に公開されている他社のノウハウや事例を取り入れたり、メディアを構築するためのCMSマーケティングプラットフォーム利用することで十分実施が可能です。

オウンドメディアの構築については事前にその全体像を把握し、最適なプラットフォームを利用することが成功の近道となります。

本記事の内容が、オウンドメディアの立ち上げを検討している方、運用しているがうまくいっていない方の参考になれば幸いです。

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