情報過多の中、視聴の主導権が生活者にあるWebにおいて、企業が届けたい情報を一方的に発信しても、なかなか生活者には視聴してもらえません。このような状況でも視聴してもらうためのポイントを「情報の質」と「情報の届け方」に分けて紹介します。

視聴される動画のポイント

情報の質

動画を視聴してもらうために「情報の質」の側面では、「生活者の心の琴線に触れる情報を最適な形で届ける」ことがポイントです。

生活者の心の琴線に触れる情報(3つの要素)

生活者の心の琴線に触れる情報

生活者に動画を見てもらうには、彼らの心の琴線に触れる情報(無視できない情報)を届ける必要があります。そのために効果的なのが、人の「理性」「感性」「欲求」のいずれかに働きかけるような内容を動画に含めることです。

しかし、すべての動画にこれらの要素がすべて備わっている必要はありません。3つの要素のいずれかが、動画に含まれるように意識して動画を制作してみましょう。

この3つの要素は、それぞれ以下のようなポイントを参考に取り入れると良いでしょう。

理性 - REASON
自分の困りごとを解決する情報、生活上で役立つ情報、知るべき最新情報など、理性で納得する情報

参考動画:消費生活センター紹介動画(消費者庁)

感性 - SENSITIVITY
笑う、泣ける、感動、斬新、励まされる、いじりたくなるなど、感性・感情を動かし共感できる情報

参考動画: 東京ガス CM 家族の絆 「やめてよ」篇(東京ガス)

欲求 - DESIRE
思わず食べたくなる、行きたくなる、着たくなる、やりたくなるなど、何らかの刺激を受ける情報

参考動画:【築地銀だこ】ブランドmovie

動画を届けたい相手をよく分析・理解し、彼らが無視できない「納得できる」「共感できる」または「刺激を受ける」情報を提供していくことで、その情報を受け取ってもらいやすくなります。

そして、その動画を通した体験により、ブランドがもたらす本質的な価値が伝わることで、選ばれるブランドへと育てられるでしょう。

Web・メディアに最適な動画

動画では、Web(メディア)に最適化したクリエイティブを制作することで、より効果が得られると考えられています。

Web・メディアに最適な動画

この図は、TVCM素材とWebに最適化した専用素材を、Webで配信した場合の効果の比較データです。ブランド認知、広告認知、メッセージ連想は同程度ですが、ブランド好感度と購買意欲では、Web専用素材の方が効果が高いことが明らかになっています。

もちろん、最適なWeb専用素材を制作できれば、ブランド認知、広告認知においてもTVCM素材よりも高い効果を得られます。

また、Webの中でも実際には、メディアごとに見られやすい尺や内容も異なります。

例えば内容では、Twitterはゴシップ的な軽めのネタが見られやすいのに対して、Facebookはフォーマルな場として、ニュースや役立つ情報、話のネタになりやすいものが見られやすい傾向があります。
そのため、配信先のメディア特性に応じて最適な動画を制作することで、より大きな効果を狙えるでしょう。

情報の届け方

情報の届け方

Webでは、テレビのように受動的に情報を受け取ってもらえません。そのため、情報に対して親和性や必要性がある人を見極めて届けることが重要となります。

情報を届けたい相手は、どんな生活を送り、どんなメディアに触れているのか、コンテンツの最適な届け方を踏まえる必要があります。また、情報で溢れる現在では、どんなタイミングで何を見ているのか、モーメント(そのモノやサービスが欲しくなる瞬間)をとらえたコンテンツのデリバリーも必要になってきています。

Webの動画では、相手が情報を受け取りやすい状況を踏まえて、生活者視点で届けていくことが重要となります。

まとめ:ユーザーの立場になって届ける動画を考える

見られる動画のポイントは以下の通りです。

  • 情報の質 = 「生活者の心の琴線に触れる情報を最適な形で届ける」
  • 情報の届け方=「親和性や必要性がある人へ届ける」

届けたい相手の立場になって、彼らの心理・生活に合わせた内容や届けるメディアに最適な尺やフォーマット、情報を必要とする人へ的確に届ける方法を検討・実行していくことで、Webでも好んで視聴される動画を届けやすくなります。