前回までの講義では、動画広告が盛り上がっている背景、目的や効果についてお話しました。今回は、動画広告を効果的に展開するにあたって、押さえておくべき動画視聴におけるハードルについてまとめました。

動画は態度変容の効果的な手段です。しかし、視聴されるためのハードルがテレビに比べて高く、スキップされやすい」など、Webならではの難しさもあります。

今回は動画広告を使いこなすために事前に知っておきたい、Webにおいて動画が視聴されづらい理由を紹介していきます。

動画視聴のハードル

情報過多

動画視聴のハードル_情報過多

インターネットによって世の中の情報量は飛躍的に増え、人が処理できる情報量をとうに超える情報が日々私たちの回りを行き交っています。

世界に流通する情報量の推移をみてみると、2020年には約40ゼタバイト、2010年のおよそ40倍になると予測されています。

このような状況下では、そもそも伝えたい相手に広告を見つけてもらうことが困難です。また、広告を見ても次の瞬間忘れているといったことが加速していきます。

実際に、隙間時間にスマホを開いて接触したバナーや動画の広告を覚えている人はほとんどいないでしょう。そのくらい、人間の脳が情報をすぐ忘れていかないともたないほどの情報が溢れ返っています。

主導権が、より視聴者側にある

テレビと比較すると、Webでは、広告閲覧の主導権がより視聴者側にあります。そのことを示す、2つの大きな特徴があります。

1.視聴態度

動画の視聴態度

テレビの視聴は、ソファーや畳の上でリラックスしながら、くつろいだ姿勢で視聴する傾向がある「Lean Back(後ろにもたれる)」なメディアと言われています。つまりこれは、流れてくる情報を一方的に受動する姿勢で視聴しているということです。

一方、動画を視聴するデバイス(PCやスマホなど)は「Lean Forward(前のめり)」に利用するメディアと言われています。PCやスマートフォンの場合、ユーザーは画面を注視して、必要な情報と不要な情報を振り分けながら利用しています。テレビに比べると、能動的な姿勢で視聴していると言えるでしょう。

PCやスマートフォンのように、能動的に情報を取りに行く姿勢で見られているデバイスほど、そこに不要な情報が出てきた時の不快度が大きく、より瞬時にスキップするかどうかを判断されているのです。

2.スキッパブルな広告フォーマット

スキッパブルな動画広告フォーマット

動画広告には、スキップ(スルー)可能な広告フォーマットが多くあります。

例えば、Youtubeのインストリーム広告は「スキップボタン」が付いていたり、Facebookはスクロール広告を飛ばして無視したり(非表示にもできる)するといったことが可能となっています。

このように動画広告は、必要ない、興味を持たないものであれば簡単にスキップされてしまいます。広告閲覧の主導権は基本的に視聴者にあると言えるでしょう。

動画広告が届きづらいその他の理由

その他にも、動画広告が届きづらい理由として、以下の理由が考えられます。

● メディアの増加
デジタルメディアが爆発的に増えると共に、どのメディアが誰に届くのか複雑な状況になっています。

● 仲間ごと化の急激増
SNSの普及によって友人知人の情報がメディア以上の関心ごととして存在感を増しています。

● Facebookも友人を重要視する
より信頼性のある情報としてメディアよりも友人知人の投稿を重視したアルゴリズムへ変更すると発表しています。

広告の信頼性低下
生活者が友人や口コミ等の客観的な第3者情報を重視するようになっている一方で、広告への信頼性が低下しています。

参考:
Facebook、友人家族の投稿を増やし、ニュースや企業コンテンツを減らす方向性を発表 - THE BRIDGE
Nielsen: Consumer Trust In Traditional Media Ads Fall, While Confidence In Mobile, Social And Online Rise

まとめ:Webならではの動画視聴のハードルがある

Webには、「Webならではの動画視聴のハードル」があります。

情報量の増加、広告フォーマット、視聴態度や心理が、動画視聴の判断に影響を及ぼします。動画広告を展開する際は、常にこのことを念頭において、施策を考え進行させてください。

次回は、動画が視聴されるポイントについてお話しします。