動画広告のプロセスを理解するために、「戦略・設計」「動画制作」「運用・分析」の3つのフェーズに分けて紹介します。

ここでは、動画広告を出稿するために、どのような流れで施策を行っていくべきかを理解し、プロジェクトの全体感を把握しましょう。

プロジェクトの全体感

戦略・設計

「戦略・設計」は、効果的な動画施策を実現するために、綿密な準備を行うフェーズです。その後の「動画制作」や「運用・分析」フェーズで必要なことを、この段階で整理しておきます。

このフェーズを疎かにすると、打ち出すべきメッセージを誤ったり、狙っているユーザー層へ動画を届けられなかったり、その後のフェーズで急な変更が必要になったり等、施策において様々な支障を来す可能性があります。

戦略・設計では主に以下のようなことを行います。

市場分析(競合分析/顧客分析)

「市場分析」では、戦略を立てる上で土台となる自社や顧客、競合他社の情報を収集し、自社が置かれている現状を正確に把握します。

メディア戦略

動画を届けたい人たちへどのように届けるかを戦略立案します。市場分析の情報をもとに、相手は、どんな生活を送り、どんなタイミングで何を見ているのか、どんなメディアに触れているのか、などを調査分析し、動画の最適な届け方を検討します。

また、どのように効果を測定し、何もって成功とするかを見極めるために、KPIなどの指標も設計します。その指標から、施策を改善していくためのPDCAの設計も行います。

クリエイティブ戦略

どのようなメッセージを伝えるべきかの戦略を立案します。市場分析の情報をもとに、対象となる人たちの心が動くクリエイティブ・コンセプトを考え、企画案を検討します。

動画制作

このフェーズでは、実際に動画を制作します。テレビCMでは、テレビに流すものという大前提があるので、どのメディアで流すかをあまり気にしません。しかし、Webの場合では媒体の数も使われ方も異なるので、「メディアに合わせて作り分ける」という意識を持つことが非常に大切です。

実際の制作では、完成までの流れの中で「進行管理」「予算管理」「品質管理」を行いながら、目的を達成するための動画に仕上げていきます。

例えば実写の場合、制作の初期段階で、完成までのスケジュール、キャスト、スタッフ、ロケ地、機材等、企画を実現するために必要な様々な事柄を決定していきます。そして、撮影した後、編集、BGM・ナレーションを経て、動画が完成します。

動画制作の大まかな流れ

また動画制作には、ディレクター、カメラマン、照明技師、エディター等、様々な専門スタッフの協力や、カメラや照明、専用ソフト、さらに撮影スタジオ等、専門的な機材・設備も必要になります。一定のクオリティを担保したい場合は、無理をせずプロに制作を依頼するのが良いでしょう。

運用・分析

運用・分析のフェーズでは、制作した動画を事前に計画したメディアへ配信していきます。配信データからユーザーの動きを日々監視し、配信対象や配信時間などをチューニングしながら、事前に設定したKPIに合わせて動画の効果を最大化させます。配信終了後は、メディア、クリエイティブ、ターゲット別などでデータを纏め、分析します。その結果と考察をもとに、次に実施すべき施策を検討していきます。

まとめ:3フェーズの基本的な流れを覚えよう

動画広告は、「戦略・設計」、「動画制作」、「運用・分析」の3つフェーズを1サイクルとして、これらの活動を繰り返しながら、継続的に効果を最大化させていきます。

実際の施策では、長期に渡る運用や複数のクリエイティブ、メディアへの運用など、複雑な組み立てが必要なケースもありますが、この3つの基本的な流れを覚えておくと、多くの場合に対処できるでしょう。