BtoC(法人対個人)ビジネスにも言えることではありますが、特にBtoB(法人対法人)ビジネスの営業・マーケティングにおいて課題とされるのが「リードの獲得」です。

他社との激しい競争の中で、自社製品の魅力をユーザーに正しく理解してもらい、導入の検討を進めてもらうのは非常に難しいことです。

「受注に直結するリードを獲得したい」「獲得したリードの見込みを高めたい」と考えていながら、なかなか取り組めていないという営業・マーケティング担当者の方は少なくないでしょう。

今回は、BtoBビジネスにおけるリード獲得や見込み客の育成にあたって効果的な手法、「コンテンツマーケティング」について解説するとともに、施策で成果を出すために必要な手順をご紹介します。

目次

  1. BtoB事業における営業・マーケティングの現状
  2. リード獲得のためのコンテンツマーケティングとは
  3. コンテンツマーケティング実施の手順
    1. ゴールとターゲットの設定
    2. 計画立て
    3. コンテンツ作成
    4. 集客施策の実施
    5. リード情報の管理

BtoB事業における営業・マーケティングの現状

BtoBビジネスにおいては、電話営業や飛び込み、DM(ダイレクトメール)の発送など、企業側からお客様に対してアプローチをする「アウトバウンド」型の営業・マーケティングが行われています。

株式会社イノベーションが2017年に公開した「BtoB営業/マーケティングに関する取り組み状況調査」によると、自社で獲得したお問い合わせに対する営業や紹介営業が全体の半数以上を占めています。

一方で、代表電話へのテレアポや飛び込み営業を実施している企業も一定数存在していることが明らかになりました。

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【調査レポート】調査で浮き彫りになった法人企業の課題とは?
株式会社イノベーション、「BtoB営業/マーケティングに関する取り組み状況調査」を実施

このような企業主体の「アウトバウンド」型営業手法は依然として有効ではありますが、インターネットによる情報過多、労働人口の減少が問題になっている現代では以前ほどの成果を上げることが難しくなっています。

これからは企業側から積極的に営業活動を行うのではなく、お客様から見つけてもらえるような仕組みを作る必要があります。

その仕組みを作るにあたって有効な施策が「コンテンツマーケティング」です。

リード獲得のためのコンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングを簡単に説明すると「ユーザーが見たい!見てよかった!と思えるコンテンツを公開し続けることで、 ユーザーにファンになってもらい、そこから物を買ってもらう」マーケティング手法のことです。

例えば、あなたが企業の経理担当者で「日常業務の効率化をはかりたい!」と考えているとします。専門書を読んでみても難しすぎて理解できない。実践できない。そんな状況で、たまたま目にした経理部門の業務効率化の記事がとても丁寧で分かりやすかったら…。

記事で紹介されている業務効率化ツールの導入を考えてしまうのではないでしょうか。

コンテンツマーケティングを実施することにより、企業側に信頼を寄せてくれる有望な見込み客を獲得することが可能になります。

なおコンテンツは記事だけでなく、動画やホワイトペーパー(調査データや、商品の事例などをまとめた冊子)など様々な形が存在します。

コンテンツマーケティングが注目される3つの理由

コンテンツマーケティング」というキーワードが日本において認知されはじめたのは、2014年の後半ごろと言われています。

ホームページ担当者であれば、この言葉を耳にすることは少なくないのではないでしょうか。

比較的新しい手法にも関わらず、短期間で認知を広げた背景には大きく3つの理由が考えられます。

1. Googleがコンテンツの質を重視

検索エンジンの精度が上がるにつれて、外部リンクを買ったり、上位に表示させたいキーワードを必要以上にページに散りばめたりする不正なSEO対策が通用しなくなり、コンテンツの質が評価されるようになりました。

お客様にとって良質なコンテンツを作成・配信するコンテンツマーケティングは、検索エンジンから高い評価を獲得し、ホームページユーザーの目に触れる機会を増やすことにつながります。

2. コンテンツは資産

コンテンツの作成・配信には人件費がかかってしまいます。しかし、作成したコンテンツ広告と違い資産として残り続け、配信後もユーザーを集めてくれます。

良質なコンテンツが増えればアクセス数も蓄積されていくので、将来的にはかけた人件費以上の見返りを得ることも可能になります。

3. 消費者の心理や行動が変化した

情報過多のインターネットにおいて、企業から押し付けられる広告を嫌うユーザーが多くなり、気になる情報を自分から取りに行くようになっています。

コンテンツマーケティングを実施し、ユーザーの不安や疑問を解決する適切なコンテンツを発信することができれば、自社に対して安心感や信頼感を持ってもらうことができるでしょう。

コンテンツマーケティングの成り立ちや時代背景についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングの歴史を徹底解説
コンテンツマーケティングとは何か 〜 歴史・事例などから解説 〜

コンテンツマーケティング実施の手順

コンテンツマーケティングを行う際に必要な手順について説明していきます。

-ゴールとターゲットの設定
-計画立て
-コンテンツ作成
-集客施策の実施
-リード情報の管理

1. ゴールとターゲットの設定

ゴール設定

コンテンツマーケティングに限ったことではないですが、プロジェクトを進める際には明確なゴール設定をする必要があります。

「とにかく記事を書いて結果を待つだけ」のような、行き当たりばったりの運用にならないよう、何のために施策を行うのかを明らかにしましょう。

今回のケースであればリード獲得がゴールとなります。

来店・商談予約、資料ダウンロード、お問い合わせ、セミナー参加、デモ希望など、ユーザーにどのようなアクションを起こしてほしいのかという視点で「月50件のお問い合わせを獲得する」といった具体的な数字目標を定めてください。

ターゲット設定

ターゲット設定は、施策の成功を大きく左右します。コンテンツマーケティングで発信するコンテンツの良し悪しを判断するのはターゲットであるお客様だからです。

担当者視点でどれほど「良い」と思ったコンテンツであっても、お客様に価値を感じてもらえなければ意味がありません。

また、どのようなコンテンツに価値を見出すかはお客様によって変わりますので、ターゲットの設定は慎重に行いましょう。

ペルソナ設定

先に設定したターゲット像をより明確にすることによって、施策やコンテンツを具体的に考えることができます。

「ペルソナ」と呼ばれる架空のユーザーを設定することで「ターゲットがどんな悩みを抱えているのか、どのような解決策を欲しているのか」を、想像することができます。

次の4つのポイントを押さえながら、考えましょう。

ペルソナ設定の4つのポイント.png

参考として、ペルソナ設定の一例を示します。

ペルソナ設定具体例.png
ホームページ運営に欠かせない!ペルソナの設定方法とは?

2. 計画立て

先に決めたターゲット・ペルソナを元に、ホームページ内の導線コンテンツ内容を考えていきます。

流入、回遊、重要ページ、コンバージョンという一連の流れをイメージし、理想的なユーザー行動のイメージを持ちましょう。

ターゲットの性質に近い人物が「いつ、どの経路から流入し、どんなページを見てお問い合わせをするのか」の、シナリオ設計をする必要があります。

3. コンテンツ作成

キーワード整理

コンテンツの作成にあたっては、SEO対策視点とユーザー視点の2つが必要です。

SEO対策視点では、先に決めたターゲットやペルソナ、実際のユーザー行動などから、ユーザーが検索しそうなキーワードを整理し、検索ボリュームを調べ、検索上位に表示したいキーワードを元にコンテンツ作成をします。

ユーザー視点では、コンテンツの質を重視し、「どんなユーザーの、どんな悩みを解決するか」を考えてコンテンツ作成します。

コンテンツマーケティングは、ユーザーに自社のファンになってもらう施策なので、特にユーザー視点が重要になります。

記事アウトライン作成

何も決めずにコンテンツを書き始めてしまうと、テーマと内容に一貫性のない記事になり、読者にとって読みにくい印象を与えてしまいます。

そうならないようにアウトラインを固める必要があります。

コンテンツ形式を決める

あらかじめ形式を決めておくことでアウトプットのイメージをぶらさずに記事を書くことができます。

また、執筆にかける時間をコントロールしやすくなるというメリットもあります。

「〇〇とは?」のタイトルに見られるような初心者向けの解説記事や、業界の時事ネタやトレンドを紹介するニュース記事など、様々な形式があるので、ペルソナがどのような記事を求めているのかを踏まえて決めましょう。

記事フレームワークを元にアウトライン作成

アウトラインを書く際、文頭の書き出しから順を追って執筆すると途中で筆が止まってしまうケースが多くなります。

事前に文中の構成要素を端的に表現し、間を埋めていくイメージで組み立てると、初心者でも文章が書きやすくなります。

自分が読みやすいと感じた記事の構成要素を分解しフレームワークを作成し、そのフレームワークに執筆するテーマを当てはめて書いていくことをオススメします。

アウトラインからコンテンツを執筆する

アウトラインができたら、肉付けするイメージでコンテンツを執筆します。

主張の根拠となる事例やデータを示したり、参考記事を紹介したりすることで記事に厚みを持たせることができます。作成して終わりではなく、誤字脱字や文章のねじれがないかどうか、何度も確認することも大切です。

4. 集客施策の実施

コンテンツ作成をしたら、ユーザーに見てもらえるように施策を実施しましょう。設定したペルソナは、どのような経路で接点を持つのが効果的かを今一度考えます。

主な集客施策として、3つご紹介します。

SEO対策をする

前述の通り、Googleコンテンツの質を重視するようになっているため、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信し続けることが、そのままSEO対策になります。

しかしながら、コンテンツの作成・発信以外にも、URLを正規化したり、インデックスの最適化をしたりと、SEO対策をする上で最低限やらなければならないことがあります。

まだそうした対策ができていないという方は、以下の記事を参考にしてください。

SEO対策とは - 初心者でも分かるSEOの基礎 -

SNS運用をする

ユーザーによっては、情報収集をSNSで行うという方もいます。

そのようなユーザーと接点を持ちたい場合にはTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSによるコンテンツ発信をする必要があります。

「何となく、競合他社がやっているから」という理由で始めたものの、ターゲットとなるユーザーがそのSNSを使っていなかったといった失敗が見受けられます。

ターゲットがどのSNSを利用しているのかを事前に調査しましょう。

広告出稿をする

発信したコンテンツが期待通りの効果であれば、広告出稿をする必要はないかもしれません。

ですが、「より多くの人に見てもらいたい、さらに成果を得たい」という場合には、広告出稿を検討しましょう。

広告を選ぶ際もSNSと同様、ユーザーがどのプラットフォームを利用しているかという点を考える必要があります。

5. リード情報の管理

資料ダウンロード、お問い合わせ、セミナー、デモなど、コンテンツ経由で獲得したリードはその後のマーケティング活動において重要な資産になりますので、管理をする必要があります。

ユーザーの性質や行動によってセグメントを分け、ユーザーが求める情報をメールマガジンで発信するなどして見込みの角度を高めていきます。

マーケティングオートメーション(MA)ツールを利用することで、見込み顧客の育成を自動化することも可能です。

75%の企業が顧客リストにアプローチできてない?マーケティングオートメーション活用法

まとめ

コンテンツマーケティングを意識していなかったとしても、集客目的で情報発信を行なっている企業は少なくないでしょう。

コンテンツを発信することで、自社ホームページの評価を高めて検索上位に表示することを狙ったり、ユーザーからの信頼を勝ち取れたりと良いことばかりの施策のように思われたかもしれませんが、注意も必要です。

せっかく時間をかけて作成しても、ユーザーを無視したコンテンツになってしまっては集客につながらず意味がありません。正しい手順を踏んで、ユーザーのためになるコンテンツ・ホームページを作り、リードの獲得・育成という悩みから抜け出しましょう。

本記事を参考に、より効率的・効果的にコンテンツマーケティングに取り組んでいただけましたら幸いです。

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