「ソーシャルテクノロジーによる生活者マーケティングの実現」を支援するアライドアーキテクツ株式会社にて、SNSプロモーション支援事業のマーケティング・営業・コンサルティング部門責任者を担当している鈴木です。

今回は、様々なマーケティング課題の中で、どんなTwitterの活用手法があるのかとそのKPI設計についてお話させていただきます。

より有効にTwitterを活用するには

Twitterは、4,500万人もの月間アクティブ利用者数を誇る大規模なソーシャルメディアです。Facebookやその他のSNSがクローズドなコミュニケーションの特徴を強めている中、Twitterは幅広い層にリーチ可能なソーシャルメディアとして、昨今企業のマーケティング活動における価値が高まり、活用する企業も増加しています。

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しかしながら、*Twitterにも得意領域と不得意な領域があるため、Twitterマーケティングをすれば絶対に効果がでるというわけではありません。*全ての企業課題を解決できるわけではないからこそ、以下の3つの方法でTwitterの利用を検討することが重要です。

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より有効にTwitterを活用するためには、「Twitterの媒体特性と活用手法の特徴」を理解した上で、自社の課題に合わせて「Twitterの役割を設定し、Twitterマーケティング手法の設定・KPI設計をすること」が非常に重要となります。

Phase1の媒体理解については、第1回目のSNS利用実態調査から見る、いま企業がTwitterに取り組むべき理由とその取り組み方にて解説しておりますのでご覧ください。今回の記事は、Phase2の役割設定の参考として、マーケティングファネルにおけるよくある以下の5つの課題に合わせてTwitterマーケティング手法・KPI例を紹介します。

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①自社の商品・サービスを知ってもらいたい

商品やサービスを知ってもらう、つまり「認知領域」では、「Twitterキャンペーン」「Twitter広告」が代表的な手法となります。

KPI

対象の投稿がTwitter上でどれだけユーザーに見られたかを示す「インプレッション」を設定するケースが多く見られます。

施策概要

Twitter広告

Twitterには様々な広告手法が存在しますが、「認知領域」として活用する広告形式として代表的なものとして以下があります。

■圧倒的なリーチとインパクトの獲得
ファーストビューファーストビューオンリー
1日1社24時間限定で、Twitter利用者がその日のタイムラインの最初に目にする動画広告。圧倒的なリーチとインパクトを獲得できるため、その日の早い時間帯に獲得し、当日の行動を促すことも可能

■話題性を高める
プロモトレンド
「話題を検索」ページの「おすすめ」と「トレンド」タブに掲載されるトピックの一番上、タイムライン、プロフィールページに表示され、クリックすると検索結果にツイートが表示される形式の広告。中でも、トレンドは出稿場所として大きなインパクトがあるため、大きな話題性を作りたいときに有効

■効果をみながら広告配信をコントロールする
プロモツイート in タイムライン
タイムライン上に通常のツイートと同じ形で表示される広告。運用型のため、予算上限や配信期間をコントロールしながら広告配信が可能

■ターゲット層に届ける
インストリーム動画広告(Amplifyプレロール/Amplifyスポンサーシップ)
対象のTwitterアカウントでツイートされた動画本編の前に再生される広告。スポーツ、ニュースなどの広告配信先のコンテンツカテゴリーを選択でき、これにTwitterのターゲティング機能を掛け合わせて広告配信ができるため、より効率的にリーチしたいユーザーへメッセージを届けることが可能

Twitterキャンペーン

Twitterキャンペーンにも様々な座組が存在しますが、代表的な座組としては大きく以下があります。

■よりフォロワーを増やし、ツイートを拡散させる
・フォロー&リツイート
企業公式アカウントをフォローして、対象の投稿をリツイートすることで応募完了となるキャンペーン形式。Twitterキャンペーンの中でも、ユーザーがもっとも手軽にキャンペーンに参加できる手法のため、よりフォロワーを増やしたい、ツイートを拡散させたいときに有効

   
■商品・サービスの理解を促進させる
・フォロー&ハッシュタグツイート
企業公式アカウントをフォローして、指定ハッシュタグを付けて自身でツイートすることで応募完了となるキャンペーン形式。ユーザーが指定ハッシュタグを付けて自身でツイートするため、オーガニック投稿を通じた情報拡散と同時に、商品・サービスの理解促進につなげることもできる 

特徴

Twitter広告

ファーストビューやプロモトレンドは、Twitter上の限られた広告枠を、1日単位で限定された企業のみが出稿する形式のため、高額ですが短期間で認知度を飛躍的に高める施策に向いています。

プロモツイートやインストリーム動画広告では、Twitterが持つ様々なターゲティング(例:フォロワーターゲティング・キーワードターゲティング)を通して、より狙ったユーザーに対して広告の配信が可能です。そのため認知領域においては、ターゲットユーザーが比較的に狭い、BtoB系・金融系・不動産系商材等でも広く活用されます。

  

Twitterキャンペーン

ユーザーのアクション(リツイート・ハッシュタグツイート)が起こす拡散効果によって、リファラルでTwitter上で様々なユーザーに対して情報を広げることが可能です。Twitter広告を活用して、ターゲットユーザーキャンペーン参加してもらい、ターゲットユーザー起点で広くインプレッションを取っていく形が主流となっており、ターゲット層が非常に広い食品・菓子・飲料・日用品・外食等を中心に広く活用されます。

②ターゲットとなるユーザーと継続的なコミュニケーションの場を作りたい

Twitter上でファンと直接コミュニケーションを取れる場としてTwitterを活用したいといった目的の場合も「Twitterキャンペーン」「Twitter広告」が代表的な手法となります。ただし手法やKPI等が少々異なりますので、下記にて解説させていただきます。

KPI

自社のTwitterアカウントでどれだけのユーザーとつながれたのかを示す「フォロワー数」を設定するケースが多く見られます。

施策概要

Twitter広告

■簡単にフォローしてもらう
プロモアカウント
「おすすめユーザー」やアカウント検索画面、スマートフォンアプリのタイムラインに表示される広告。「フォローする」をクリックすることで、ユーザーは簡単にアカウントをフォローできる

Twitterキャンペーン

・上記「①自社の商品・サービスを知ってもらいたい」のTwitterキャンペーンと同様

特徴

Twitter広告

プロモツイートやインストリーム動画広告と同様、プロモアカウントにおいてもTwitter広告のターゲティングを活用して、より狙ったユーザーからフォロワーを増やしていくことが可能です。そのためターゲットユーザーが比較的に狭い、BtoB系・金融系・不動産系商材等でも広く活用されます。

Twitterキャンペーン

キャンペーン参加のためのユーザーのアクション(リツイート・ハッシュタグツイート、アカウントフォロー)によって、オーガニックTwitter上で様々なユーザーをフォロワーにしていくことが可能です。Twitter広告を活用して、ターゲットユーザーにフォロワーを担ってもらい、ターゲットユーザー起点で広くフォロワーを増やしていく形が主流となっており、ターゲット層が非常に広い食品・菓子・飲料・日用品・外食等を中心に広く活用されます。

③自社の商品・サービスのより中身をより理解してほしい

Twitter上でつながったフォロワーに対して、さらに自社のサービスの中身を理解してもらうことを目的に行う施策として代表的な施策が「アカウント運用」です。定期的にツイートすることで、日常的に自社のフォロワーとコミュ二ケ―ションする施策ですが、今回は大きく「アカウント運用(通常)」「アカウント運用(中の人型)」の2つにわけてご紹介させていただきます。

KPI

アカウント運用には様々なKPIが存在しますが、代表的な指標は大きく2つあります。この2つを活用することよって、「公式アカウントのツイートがどれだけ多くの人に見られ、どれだけのリアクションがあったか」を指標として計測します。

  • フォロワー数
    どれだけのフォロワーとつながることができたか
  • エンゲージメント
    対象の投稿に対する「クリック」「リツイート」「返信」「フォロー」「いいね」の総数
  • インプレッション数
    ユーザーがTwitterで該当のツイートを見た回数

施策概要

運用上のミスや炎上のリスクを下げる

アカウント運用(通常)
自社が発信したい内容を事前にコンテンツ設計・スケジューリングして投稿していく運用形式。事前に投稿内容や投稿時間などを吟味した上で投稿するため、運用上のミスや炎上のリスクを下げることができる

自由度高く運用する

アカウント運用(中の人型)
運用するアカウント自体に人格を持たせたうえでかなり高い頻度でアクティブに投稿を行う運用形式。自社商品・サービスに関係ない投稿など、投稿の自由度も非常に高い

特徴

アカウント運用(通常)

アカウントとしての方向性を設定したうえで、日々KPIに対するPDCAを行いながら運用を行ってくスタイル。

アカウント運用(中の人型)

企業色を抑えた投稿のため親近感や固定ファンを得やすい。高い頻度でアクティブに投稿を行うために、専任担当者の運用リソース確保や担当者自身の高いリテラシーが必要になる。

④Web上で購入させたい

Twitter経由でWeb購入を促す施策として有効なのはTwitter広告となります。もちろん、Twitterキャンペーン施策やアカウント運用施策でもWeb購入を大きく伸ばした事例も存在します。しかし、そもそもの施策の役割や再現性といった視点では、Twitterキャンペーン施策・アカウント運用施策に関しては短期的な成果を出すのは難しいと言えます。

KPI

実際のWeb上での購入を目的としたTwitter広告には様々なKPIが存在しますが、代表的な指標は大きく以下2つとなります。

  • CPC(クリック単価):クリック1回あたりの料金
  • CPA/CPI/CPO(顧客獲得単価):広告をクリックしたユーザーから成果を獲得した単価
  • CV数・CVR(顧客転換数・率):登録や購入、申し込みに繋がった数・割合

施策概要

サイトへ誘導させる

〇プロモツイート(ウェブサイトカード)
サイト流入数増加を目的にカードをクリックすると、ユーザーをシームレスに対象のWebサイトランディングページへ対象のサイトに遷移することができる広告形式。コロナショックに伴い、自社ECの売上拡大を目指す食品・アパレル・コスメ企業など幅広く活用されている
 

アプリインストール数を増やす

〇プロモツイート(アプリカード)
アプリインストール数増加を目的にカードをクリックすると、アプリストアのインストール画面を表示することができる広告形式。特にアプリインストール数を増やしたいゲーム・エンタメ企業を中心に活用されている

特徴

Twitter広告が持つ様々なターゲティングを通して、より購入に近いユーザー(ニーズ顕在層)に対して広告の配信が可能です。特にアプリインストール数を増やしたいゲーム・エンタメ企業を中心に、コロナショックに伴い自社ECの売上拡大を目指す企業(食品・アパレル・コスメ等)にも活用されています。

⑤来店者数を増やしたい

ツイートに位置情報をつけるユーザーは少ないため、Twitterのみで来店に関するユーザー情報(来店者・位置情報等)を取得することは難しいと言えます。そのため来店に結び付けるための施策としては、「Twitterキャンペーン施策」を通じてキャンペーン参加インセンティブとして来店クーポンを設定する形が主流となっています。

KPI

クーポン使用数(クーポン使用率)

施策概要

Twitterキャンペーン(フォロー&リツイート・フォロー&ハッシュタグツイート)のインセンティブに以下の形式のインセンティブを活用するケースが多くなっています。

POSと連携させる

・POS連動型インセンティブ
実際にPOSと連携が可能なインセンティブ(QRコード・ユニーククーポンコード)を付与することで、POS側で来店を計測。コンビニエンスストアをはじめとする小売企業で活用される傾向にある

ユーザーの画面上で完結させる

・消込型デジタルクーポン
クーポン自体がオンライン上で消込完了となっており、店頭で表示・動作確認することで消込完了となり、クーポン機能単体で来店を計測。POSを持たない店舗や、外食チェーン店で活用される傾向にある

特徴

ここ数年は「オートリプライ・インスタントウィン」機能と組み合わせて、「フォロー&リツイートするとその場で〇万人にクーポンがもらえる」等のキャンペーン企画と相性がよく、全国で店舗展開をしている外食・小売チェーン系の企業様で導入するケースが非常に増加しています。

常にPDCAを回していくことが重要

このように、Twitter活用における有効な手法・KPIは、課題や目的によって様々であるため、自社の状況や活用のフェーズに合わせてTwitterに期待する役割、最適な手法・KPIは常にPDCAを回して変えていく必要があると言えます。
さらに、手法やKPIだけでなく、拡散効果の高いTwitterにおいては、「企画設計」も成果を大きく左右する要素です。

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次回はPhase3の企画設計について、「Twitterキャンペーン」にフォーカスして「企画設計」のポイントについて解説いたします。

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