ビジネスゴールを定義し、ターゲットユーザを定めることができたら、そのターゲットユーザをゴールに導くためのコンテンツ、集客方法、ページ導線の設計に入ります。

点ではなく線、ストーリーで考える

突然ですが、以下の2つのページはどちらが優れているでしょうか?「シナリオ」や「ストーリー」といった観点から考えてみましょう。
どちらも有名ウエディングポータルサイトのブライダルフェアを紹介するページです。

有名ウエディングポータルサイト

ユーザーは自社Webサイトを訪れる前にも様々な体験を経ており、Webサイトを訪れるきっかけとなった何らかの状況に置かれています。また、直前に比較サイトや他社サイトを閲覧して、疑問や思い込みを抱えているかもしれません。

もしユーザー(花嫁)が「あのフェアもこのフェアも行きたい。どのフェアに行こうか迷う」という状況であれば、フェアの内容が大きく出ている左の方が好ましいでしょう。「あと1席」というフレーズを追加しても効果がでるでしょう。

しかし「この会場にぜひ行きたいけれど、日程は彼氏に相談しなくちゃ」という状況であれば、カレンダーで一覧が見られる右側の方が好ましいと言えます。開催時間も一覧になっており、彼氏にとっても便利そうです。

このように「ページ単体」で見て良し悪しを議論することにあまり意味はありません。
ユーザが置かれている状況や、そのページを見る前後の文脈を捉えればおのずと答えにつながります。

シナリオは前提条件に影響を受ける

「シナリオ」という言葉が示す通り、「点」ではなく「線」でとらえること、「文脈=コンテキスト」を理解した「ストーリー」をつむぐことが重要なポイントです。

シナリオについて

それらを含めて全体を一連の流れで捉えないと、良いシナリオ、良いWebサイトは作れません。

ウエディングポータルサイトの比較で見たように、どちらが良いかはユーザが置かれている状況によって変わります。

ロジカルに作ると間違える

もう1つ例を挙げます。
新築マンションの販売サイトを作る際に、物件の地図コンテンツが3種類ありました。あなたならこれらをどの順番に並べて見せますか?

例_地図コンテンツ1

広域から詳細へ、詳細から広域へという2択であれば、どちらがより望ましいでしょうか?
理由とあわせて考えてみてください。

例_地図コンテンツ2

普通に考えれば、案①の広域から詳細の順に並べようと思うのではないでしょうか。その方が情報構造として自然です。

しかし、ユーザがどのような状況・文脈でこのページを訪れるかを考えると答えは②となります。

全く土地勘がない場所に自分が住むための新築物件を買う人はいません。新築マンションの購入を考えてサイトを訪れるユーザは、既にその周辺に住んでいる、または住んでいた経験があることが多く、まず最初に「ああ、あそこね」「駅の南側ならスーパーもあって便利ね」といったことが確認したいのです。その上で、念のため勤務先へのアクセスなどを確認します。

ここで最初に広域路線図を見せてしまうと、求めている詳細地図がない、と誤解されて離脱を招きかねません。このようにストーリーとして自然、ロジカルに考えて当然、と思われる場合にも注意が必要です。

まとめ:ユーザーの状況・文脈を考えてシナリオを作成しよう

サイトやページの良し悪しはあくまでユーザの状況・文脈に委ねられます。
次回はより具体的に、シナリオを作る際の考え方をお伝えします。

今回の講義の内容を踏まえて、以下の質問に答えてみましょう。

  • 自社サイトでCVするユーザが置かれている「状況」を教えてください
  • 状況が一つでなければ、思いつく限り考えてください
  • その状況に照らして、例えばトップページまたは商品ページの内容が適切かどうかチェックしてみてください