前回の記事では、ユーザーエンゲージメントを測定する指標としてアクティブユーザー数やセッション時間についても説明をしました。

今回の記事では、ユーザーエンゲージメントを測る上でのもう一つの重要指標である「リテンション」について詳しく見ていきましょう。

リテンションとは

アプリ業界では「N日後のリテンション」という言葉を聞くことがあります。これは、初めてアプリを利用してから特定の日数(N日)後にも、そのアプリをアクティブに利用しているユーザーの割合を示す指標です。

例えば、14日後のリテンション率は、初めて利用した日から14日後にアプリの利用を継続しているユーザーの割合を意味します。

リテンション率低下への対策について

アプリをリリースした直後であれば、リテンション率が低下してもパニックになる必要はありません。それは極めて普通の現象です。実際、平均的なアプリリテンションは、最初のインストール後に大きく低下します。きわめて人気の高いアプリだけが、アクティブユーザーを高い割合で維持でき、そうしたアプリでさえ初期に約50%のユーザーを失います。以前の記事で説明したように、平均的なユーザーリテンション率は90日後に2%近くまで低下します。

ただし、リテンション率が急速にゼロに近づく場合は、問題が潜んでいる可能性があります。リテンション率がゼロかそれに近い場合は、単純にユーザーアプリに価値を見い出していないことを意味します。したがって、最初の段階に戻り、核となるモバイルアプリ戦略とアプリ開発に目を向けるのが最善策です。アプリのコアバリュー、アプリに慣れてもらうオンボーディングの段階、そしてユーザー体験(UX)のフローを見直し、調整する必要があります。

また、同じ業界の競合アプリの平均的なリテンション率を調査することも重要です。同じ分野でトップにランクしているアプリでさえ、10日後のリテンション率は90%を割り込んでいるのがわかるでしょう。現実的なベンチマークを設定することが、アプリの健康状態を知る上で役立ちます。

まとめ

今回は、ユーザーエンゲージメントを測定する指標の一つ「リテンション」について解説しました。アプリをリリースした直後、リテンション率が低下するのは自然なこと。すぐに焦る必要はありません。ただし、急速にリテンション率が下がっている場合は、なぜ低下しているのかを把握し、対処する必要があります。

また、自社アプリの健康状態を把握するためにも、競合アプリリテンション率も調査しておきましょう。

次回以降の記事ではいよいよユーザーエンゲージメントを向上させるための様々な施策を詳細に見ていきます。