ASOユーザー獲得キャンペーンに成功すると、多数のユーザーアプリをダウンロードし、インストールしてくれるようになります。そこで、次はそうしたユーザーに繰り返し使ってもらう方法を見つける必要があります。これを「ユーザーエンゲージメント」と呼びます。

ユーザーエンゲージメントとは、とても簡単に言うと、アプリをダウンロードした人のうち、どれくらいのひとが実際にアプリを継続して使用してくれているのかということです。しかし、ユーザーエンゲージメントを本当の意味で理解するには、アプリの使い方(頻度、時間、深度、状況、理由)を細かく測定する必要があります。さらに、アプリエンゲージメントの意味はビジネスのタイプによって異なります。

例えば、AirbnbとSnapchatでは、それぞれ重視するユーザーエンゲージメントが明確に異なります。Airbnbは、宿泊予約数のような収益をもたらす指標を重視しています。ユーザーが1日にアプリを開いた回数やアプリの使用時間については、重要度が比較的低くなります。一方、Snapchatのビジネスモデルでは、日々のアクセス数が重要です。その目標は、ユーザーの関心を集め、1日に何度も長時間使用してもらい、アプリ広告収益を積み上げることにあります。
SnapchatとAirbnbは共に大成功を収めたアプリで、どちらも非常に人気がありますが、エンゲージメントに関しては重視する指標が異なります。

具体的にどのような指標がユーザーエンゲージメントの指標として考えられるのかは次回の記事で取り上げますが、まずこの記事ではなぜユーザーエンゲージメントが重要なのかを説明します。

ユーザーエンゲージメントが重要な理由

新規ユーザーの獲得はアプリライフサイクルの中で最も重要な部分です。しかし、大勢のユーザーアプリに押し寄せてきたものの、アプリをほとんど使用しなかったら、あるいはさらに悪いことに、アプリを完全に削除してしまったらどうなるでしょう。これは仮定の話ではなく、実際によくあるケースです。

ダウンロード数に目を奪われがちですが、利用状況の指標にも同様に注目する必要があります。それは、新規ユーザーの獲得コストが既存ユーザーの維持コストよりもずっと高いからです。計算してみましょう。

エンゲージメントの重視が、コスト減・収益増につながる

Chartboostなどが最近実施した調査と分析で示されたのは、新規iPhoneアプリユーザーを1人獲得するのにかかる平均コストが約3ドル(約300円)で、アプリをダウンロードしたユーザーのうち90日後もアプリを使っているユーザーは平均でわずか2%だったということです。

これらの数字をもとに、ある企業が3万ドル(約300万円)を費やして1万人の新規ユーザーを獲得したとしましょう。しかし、月末の時点で残ったユーザーが200人であれば、エンゲージしたユーザー1人あたり150ドル(約1.5万円)も費やしたことになります。

同じ企業がエンゲージメント戦略の立案と実施に取り組み、成功したと仮定しましょう。こちらの結果は、アプリをダウンロードしたユーザーのうち、1か月後もアプリを使用しているユーザーの割合は前の2%に比べ、10%だったとします。後者の例では、月末に1000ユーザーが残り、ロイヤルユーザー1人あたりのコストは30ドル(約3000円)になります。前者とは120ドル(約1.5万円)もの差があります。長期のユーザーが多いほど、コストは減り、収益は増える――これがエンゲージメントの価値です。

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よくある例えですが、ユーザーエンゲージメントに注力せずに、ユーザー獲得とダウンロード数に集中することは、穴の開いたバケツに水を注いでいるようなものです。したがって、ユーザー獲得だけではなく、エンゲージメントアプリの成功の決め手になることを肝に銘じましょう。

まとめ

今回は、ユーザーエンゲージメントの重要性について解説しました。

アプリマーケティングにおいては、ダウンロード数だけではなくエンゲージメントを高める工夫が必要となります。