メールマーケティングを運用している担当者の悩みの一つに、「配信したメールが相手に届いていない」という問題があります。

多くの場合これは、企業が出したメールが受信者側の使用している迷惑メールフィルターによって「迷惑メールである」と誤判定されてしまうことで起きる問題です。

さらにフィルターの種類によってはそのままメールを削除してしまうものもあります。

迷惑メールフィルターは、迷惑メールの特徴的な挙動を学習し、それをもとに受信したメールが迷惑メールであるか否かを判定しています。
つまり、誤判定を避けるためには迷惑メールと「同じこと」をしてはいけないというのが最低限のルールとなります。

ここでは、メールの一斉配信を行う担当者として確認しておくべき、メール配信のルールについて解説いたします。

1.配信リストを精査する

迷惑メールの送信業者は、どこからか(おそらく不正に)手に入れた大量のメールアドレスのリストを使って、メールを一斉配信します。

そのリストには「既に使われていないメールアドレス」や「誤ったメールアドレス」などが大量に含まれています。つまり、ひとたび配信が実行されると、送信サーバーには届かなかった旨のエラーメールが大量に返ってくるという特徴があります。

こうして配信リストの中に「大量のエラーメール」が含まれていることで迷惑メールとして判定される可能性が高まるのです。そのため配信リストの中に無効なメールアドレスが含まれていないか、精査して取り除いてから運用する必要があります。

無効なアドレスの精査方法

メールアドレスが無効かどうかは実際に配信してみなければわかりません。初めて精査するのであれば、1時間に数百通程度に小分けにして配信するようにしましょう。

そして、相手先サーバーから返ってくるエラーメールの内容を確認し、二度と届く見込みのないアドレスを配信リストから削除することで、徐々にきれいなリストにしていきます。

2.送信元(From)アドレスの存在を証明する

迷惑メールの送信業者は、送信元アドレス(Fromアドレスとも言います)を偽装します。最近でもamazonや楽天を騙った迷惑メールが配信されていることが話題になりました。

残念ながら、送信元アドレスの偽装自体は、それほど難しい技術ではないため、ほとんどの迷惑メールは他人や存在しないメールアドレスを使用します。そのため、多くの迷惑メールフィルターは受信したメールの送信元アドレスを「照会」し、不正な配信ではないかをチェックしています。

その仕組みの一つが「SPF(Sender Policy Framework)」です。SPFを簡単に説明すると、「DNSサーバーでメールの送信サーバーを宣言すること」です。

DNSサーバーとは、ドメイン(メールアドレスの@マークの右側以降)の管理サーバーで、ドメインの権利者のみが編集できます。このDNSサーバーでメールの送信サーバーを指定することで、「私が送るメールに使用している送信サーバーはこれですよ」と宣言するのです。

迷惑メールフィルターはメールを受信すると、受信したメールの送信元アドレスに使用されているドメインが使用しているDNSサーバーを参照しに行きます。

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そして、DNSサーバーで宣言されている送信サーバーの情報と、実際に受信したメールの送信サーバーが一致することで、「正しい送信元から送信されたメール=偽装されていないメール」と判断するのです。

逆を言えば、DNSサーバーに宣言されている送信サーバーと実際に受信したメールの送信サーバーが異なる場合、迷惑メールフィルターは「このメールは送信元アドレスが偽装されている可能性がある」と判断することがあるのです。

存在を証明するその他の仕組み

SPF以外にも、「DKIM(ディーキム)」という仕組みがあります。これは、メールに電子署名をつけることで「メールは改ざんされていませんよ」ということを証明する技術です。
DKIMには「作成者署名」と「第三者署名」の二種類があり、作成者署名のほうがより強度の高い技術になります。

そしてもう一つ「DMARC(ディーマーク)」という仕組みもあります。これは、受信したメールにおいてSPFもDKIMも認証できなかった場合に、受信者側がどのようにするのかというのを、送信者側でコントロールできる仕組みになります。

つまり、「私が送るメールにはSPFやDKIMが設定されています。それ以外のメールは偽装メールですので、受信を拒否します」という設定ができるのです。

紛らわしい文章は使用しない

迷惑メールで配信されている内容の多くは、人をだまそうとする詐欺的な内容です

・相手の弱みに付け込んでお金をだまし取ろうとするもの
・違法な物品や無価値のものを販売し利益を得ようとするもの
・当選したなどと偽り登録料をだまし取ろうとするもの

このあたりの迷惑メールを一度は見たことがあるのではないでしょうか。
これらの迷惑メールに使用されている単語や文章が迷惑メールフィルターに登録されており、受信したメールに同様の文言がある場合に迷惑メールと判定するケースもあります。

このようなメールに頻出する「無料」「今だけ」「あなただけ」といったような文言については、明確に使用が禁止されているわけではありませんが、多用しないように注意が必要です。

まとめ

迷惑メールフィルターの機能は日々進化しています。ここに記載した以外のルールが新しく追加されていくことは想像に難くありません。

せっかく時間をかけて作ったメールが迷惑メールと誤判定されてしまわないためにも、ここであげたようなことは最低限のルールとして理解し実践するようにしましょう。