メールマーケティングを始めるためにメール配信システムの導入・選定を任されたけれど、いっぱいありすぎてどれを選べばいいのかわからないという声をよく聞きます。

担当者さんの悩みを分類すると、おおよそ以下の3つに分類されるようです。

  1. Outlookなどのメールソフトではダメなのか
  2. PCにインストールするタイプとクラウドタイプはどちらがいいのか
  3. マーケティングオートメーションとの違い

今回はそれぞれについての解説と、メリットとデメリットについてお話しします。

1.Outlookなどのメールソフトではダメなのか

個人情報流出などのリスクが高い

(アウトルックとGmailとイラストやの画像作成)
OutlookやGmailなどのメールソフトを使って一斉配信を行っている企業が多く存在します。
これらのメールソフト自体は無料で使用できるため、配信リストの数が増えて効果が大きくなるまでは、コストを抑えて運用しようという理由が多いのでしょう。

しかし、メールソフトを利用した一斉配信は、コストを抑えられるどころか、非常にリスクが高いことはご存知でしょうか。

その危険性を理解するためには、Googleなどで「bcc 誤送信 お詫び」で検索してみてください。
メールソフトの操作手順を誤り、お客様のメールアドレスを流出させてしまった企業の事例が山ほど出てきます。

流出したものがメールアドレスだけだったとしても、「特定の個人の氏名を記載したもの(例:ando@example.comなど)」や、「ほかの情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別できることとなるもの(例:taro_yamada@example.co.jp → example社に勤めているヤマダタロウさんとわかる)」は個人情報にあたります。

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個人情報を流出してしまった場合、その後のお詫びの対応にかかるコストはもとより、場合によっては損害賠償の請求や、長期的な会社に対する信用の失墜なども起こりえます。

ほとんどのメールソフトに、誤送信を起こさない仕組みは整っておらず、担当者のちょっとした操作ミスでいつでも起こる危険です。

また、当然ながらメールの一斉配信に特化したシステムではないので、メール配信システムとしては一般的な機能である「差し込み配信」や「予約配信」などを行うためには一手間が必要です。

<メリット>
・無料で使用できる
・使い慣れている

<デメリット>
・誤配信のリスクが高い
・一斉配信に特化したシステムではないので特別なことはできない(開封率やクリック率は取れない)

2.PCにインストールするタイプとクラウドタイプはどちらがいいのか

PCにインストールするタイプは、安いが別途メールサーバーが必要

メール配信システムには、パソコンにインストールして使用するタイプのものが存在します。このようなソフトは家電量販店にて1万円ほどで購入が可能です。

Outlookなどのメールソフトとは異なり、一斉配信に特化したソフトウェアですので、誤送信が起こるリスクは小さくなっています。

ただし、このソフトはあくまで一斉配信の仕組みが実装されたソフトであり、メールを配信するための「メールサーバー」機能は付いていません。
このソフトを使用して一斉配信を行うためには、別途メールサーバーの用意が必要となります。

多くの企業では、メールサーバーは共用のレンタルサーバーを利用しています。共用のレンタルサーバーは、複数の企業が共有して使用しているため、特定企業によるリソースの占有や、大量送信によるIPアドレス単位での受信ブロックを避けるために、一斉配信にはなにかしらの制限がかかっているのが普通です。

一斉配信に対する制限については各レンタルサーバー事業者によって異なりますので、このようなソフトを利用する場合は、事前に自社が契約しているレンタルサーバー事業者への確認が必要です。

一般的には配信リストが1,000通を超えるような場合は、共用のメールサーバーでの一斉配信には向きませんので、高スペックな専用サーバーの検討が必要です。

<メリット>
・メールの一斉配信に特化したソフトなので使いやすい
・CDロムの買い切り型なので、ランニングコストが不要

<デメリット>
・メールサーバーは自分で用意する必要がある
・大量配信には向かない

スタンダードなのはクラウドタイプ

メールマーケティングを行う際に利用する際に一番スタンダードなのが、クラウドタイプのメール配信システムの利用です。

クラウドタイプのメリットは、インターネットに接続できるパソコンがあればすぐに利用が可能なところです。

例えば、インストール型のメール配信システムは、インストールされているパソコンでしか利用ができませんが、クラウドタイプならどのパソコンからでも利用ができるので、例えば出張中に普段使っているのと異なるパソコンからアクセスしても、いつもと同じように利用できます。

また、システムのバージョンアップも自動で行われますので、常に最新の機能を利用できるのも魅力の一つです。

クラウドタイプのメール配信システムは、メールサーバー自体もセットとなっていますので、配信リストが多くなっても気にする必要はなく、導入後すぐに利用が可能です。

クラウドタイプのメール配信システム自体も数多く存在しますので、その中で、自社の運用上必要な機能をそろえているか、コストは予算に見合っているかという2軸が主な選定基準になるでしょう。

<メリット>
・メールの一斉配信に特化したシステムなので使いやすい
・インターネットに接続できるパソコンがあれば他に何もいらない
・バージョンアップは自動で行われる

<デメリット>
・買い切り型のソフトではないので、ランニングコストが発生する

初めてメール配信システムを導入するときに見るチェックリスト

・ 会社名やあて名などの差し込み配信ができるか
HTMLメールの配信ができるか
・ 配信結果の分析ができるか(開封率・クリック率が計測できるか)
・ 到達率を高めるための仕組みが整っているか(複数のIPアドレスから配信されているか、SPFに対応しているか、DKIMに対応しているか)
・ エラーアドレスは管理できるか、不達理由を知ることができるか
・ コストはどれくらいかかるか
・ 困ったときのサポート体制はどうなっているか

マーケティングオートメーションとの違い

マーケティングオートメーションのメリット

マーケティングオートメーションは、マーケティングの細かなプロセスを自動化するシステムです。おおよそ月額は10万円~で利用することができます。

「以前に資料請求をした人が、再度料金案内ページにアクセスしたら、セミナーの案内メールを送る」というようなシナリオ設定をすることで自動化できるようになります。

ユーザー一人ひとりの行動に基づいて最適化(パーソナライズ)されたメールを送ることができるので、一斉配信メールと比較してより大きな成果を期待することができます。

マーケティングオートメーションのデメリット

一方、マーケティングオートメーションを使いこなすには、「導入のハードル」と「運用のハードル」があります。

一般的にマーケティングオートメーションを導入するには、専属の担当を付けた上で3か月は必要とされています。

その後、やっと運用のフェーズに入るのですが、そこでもまたPDCAを回していくことで自社の理想とする形を作り上げていかなければなりません。

企業規模が比較的大きく、マーケティング担当が3~5名ほどいる企業であれば、こちらを検討してみても良いかもしれません。

<メリット>
・パーソナライズされたメールを送ることができ、効果の最大化を期待することができる
・シナリオを組むことで配信作業を自動化することができる

<デメリット>
・コストが高い
・使いこなすためのハードルが高い

まとめ

メールマーケティングを始めるのであれば、使いやすさの面、コストの面からもクラウドタイプのメール配信システムがお薦めです。

クラウドタイプならば万が一選択に失敗したとしても、すぐに他社のシステムに移行することも可能ですので、まずは自社のやりたいことができるシステムを探し、少しの間試してみるのが良いでしょう。