
コンテンツマーケティングを成功させるために必要な7つの要素
- 有賀 之和
- 2015年11月18日
- ニュース
- 29,954

株式会社ベーシック 取締役
難しそうなイメージのあるWebマーケティングですが、できるだけ多くの「やればできる」という体験を増やしたいと思います。
ferret編集部:2015年9月24日に公開された記事を再編集しています。
ここ1,2年で「
コンテンツ
マーケティング
」という言葉が流行し、様々な企業が
コンテンツ
マーケティング
に取り組み始めています。
ただ、
コンテンツ
マーケティング
は売上に直結するような施策では無いため、評価基準が非常にわかりづらいという難点があります。
とりあえず始めてみたはいいものの、成功しているのか否かが不安だという担当者様は多いのではないでしょうか。
今回は、 コンテンツ マーケティング が流行した背景から、 コンテンツ マーケティング における「成功の定義」と「成功に必要な要素」を解説します。
- コンテンツマーケティングとは何か〜歴史・事例などから解説
- コンテンツマーケティングの歴史を徹底解説
- コンテンツマーケティング界隈の市場規模を徹底解説
- コンテンツマーケティングを成功させるために必要な7つの要素(今読んでいる記事)
- コンテンツマーケティングでやりがちな失敗事例5選
- コンテンツマーケティングの目的とゴールの設計方法
- コンテンツマーケティングに不可欠なユーザーニーズの調べ方
- オウンドメディアを一から立ち上げるための方法論
- コンテンツマーケティング開始直後の効果測定の考え方
- コンテンツマーケティングに立ちはだかる最大の障壁!会社や上司を説得する方法とは
- コンテンツマーケティングでよく使われる13の手法
- コンテンツマーケティング時代のスマホ対応方法とは?
- コンテンツマーケティングの時代に本当に必要なライティング方法を徹底解説
コンテンツ マーケティング が流行した背景
コンテンツ マーケティング が注目され始めた要因の1つとして、 Google 検索エンジン の精度の向上が挙げられます。
Google は創業当初から ユーザー ファーストを貫いており、「 ユーザー が求める コンテンツ が見つけやすい 検索エンジン 」を目指していますが、 アルゴリズム の精度が低かった数年前までは、そのような Google の意図に反して、 アルゴリズム の隙をつくような SEO ( ブラックハット SEO )が横行していました。
しかし、
検索エンジン
が大幅にアップデートされて以降は、
Google
が目指す
検索エンジン
の姿に近づき、
ブラックハット
SEO
を行っていると効果が出るどころかペナルティを受けるケースも多発し、徐々に
Google
が推奨する
SEO
(
ホワイトハット
SEO
)へのシフトが始まりました。
この流れの中で、
コンテンツ
を重視した集客=そのまま
コンテンツ
マーケティング
に注目が集まり始めました。
なぜ コンテンツ マーケティング を行うのかを明確にする
新しい集客手段として注目されている
コンテンツ
マーケティング
ですが、これから始めようと考えている方、既に運用されている方々は、何を目的に
コンテンツ
マーケティング
を行うのか明確に回答できるでしょうか。
コンテンツ
マーケティング
は、自社の顧客となり得るようなターゲットに向けて
コンテンツ
を発信し、見込み顧客から顧客へと育成するための手段です。
短期的で売上に寄与する施策ではないので、中長期的に取り組む必要があります。
コンテンツ マーケティング の目標は「ファンの獲得」
では、
コンテンツ
マーケティング
を行って、実際に成功しているかどうかは何を基準に判断すればいいのでしょうか。
成功したかどうかを判断するには、適切な
KPI
・
KGI
の設定が不可欠です。
オウンドメディア を実施した場合、指標がわかりやすいということから PV や セッション を重視してしまうケースが多くなりがちです。
ここで重要なことは、第一ステップとして
PV
を指標にするのはいいかもしれません。
なぜなら、そこに人が集まらずして、本来の目的を達成することができないこともあるからです。
とはいえ、ただ
PV
や
セッション
を指標にするのではなく、その中で新規
ユーザー
の割合を計測するなど指標を持つことをオススメします。
改めてですが、認知度を測るためには PV を伸ばしていくことも重要ですが、 コンテンツ マーケティング の場合はその先にある「ファンの獲得」が最大の目的です。
ではファンを獲得するには何を行えばいいのでしょうか。
以下より、
コンテンツ
マーケティング
で成功するために不可欠な要素を解説します。
成功させるために不可欠な要素
コンテンツ マーケティング を成功させる(=ファンを獲得し、中長期的な売上を拡大)ためには、絶対におさえるべき要素が6つあります。
1.
コンテンツ
作成リソースの確保
2.
ペルソナ
設計
3.
ニーズ
の洗い出し
4.対策
キーワード
の選定(
SEO
を意識する場合)
5.
ユーザー
を意識した
コンテンツ
作成
6.
ソーシャルメディア
上で拡散されやすいように
7.アクセス解析(効果測定)
ポイントは「いかに ターゲットユーザー が求める コンテンツ を継続して生成できるか」にあります。
1. コンテンツ 生産リソースの確保
コンテンツ
マーケティング
は、「継続的に」
コンテンツ
を配信することが大前提となります。
オウンドメディア
を立ち上げる前に、
コンテンツ
を安定して生産できるリソースを揃えておくことが重要です。
リソースは内製するか外注するかのどちらになりますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
コンテンツ を内製する場合のメリット・デメリット
メリット
- クオリティコントロールがしやすい
- 融通が利きやすい
- 社内の判断で コンテンツ に割く時間をコントロールできる
デメリット
- 編集部など専門の部署を作った場合は人件費がかかる
- 売上に直結する仕事ではないため、優先度を下げられる可能性がある
- 大量に生産する為のリソースは確保しにくい
コンテンツ を外注する場合のメリット・デメリット
メリット
デメリット
- クオリティコントロールが難しい
- 質の高い コンテンツ を依頼する時は単価が高額になる
自社サービスや
ターゲットユーザー
への理解が最も深いのは社員の方々です。
ですので、内製で作る場合は
ターゲットユーザー
に適した
コンテンツ
を作りやすいというメリットがあります。
一方で、
コンテンツ
作成にリソースを割くこと自体が難しく、大量生産も難しい企業の方が多いでしょう。
外注の場合は、ライティングサービスを提供している
クラウドソーシング
サービスに依頼すれば、低
単価
で
コンテンツ
作成を依頼できるため、大量生産することが可能です。
逆に、外注の場合は社内の人間と同じレベルで
ターゲットユーザー
を理解してもらうのはほぼ不可能です。
理解が乏しいまま
コンテンツ
作成される場合が多いので、クオリティコントロールが難しく、育成する手間が発生する場合もあります。
ターゲットユーザー
に響くような質の高い
コンテンツ
を作成したい場合は内製、とにかく量が必要ということであれば
クラウドソーシング
に依頼するのが現在一般的です。
オススメは、できるだけ内製で行い、足りていない部分を外注に依頼するパターンです。
外注に依頼する場合も、丸投げにするのではなく作成までを内製で行い、作成部分だけ外注に依頼するとクオリティを下げずに制作することが可能です。
どちらかに偏るのではなく、内製と外注をバランスよく利用すると良いでしょう。
ただ、前提として考えなければいけないのは大量生産すればいいというものではありません。
どんなに
コンテンツ
を作成しても
ユーザー
に見てもらえなければ意味はありませんので、そこは事前に決めた上で内製と外注の割合を考えてみてはいかがでしょうか。
2. ペルソナ 設計
コンテンツ
マーケティング
の方向性を決定づけるのが「
ペルソナ
」です。
「
ペルソナ
」とは
マーケティング
業界では「象徴的な利用者像」と解釈されており、「
ターゲットユーザー
をより具体化した架空の人物」を作り上げることでターゲットの行動パターンやニーズをより明確にできます。
参考:
ホームページ運営に欠かせない!ペルソナの設定方法とは?
コンテンツ
マーケティング
において、
ターゲットユーザー
への理解は欠かせません。
ペルソナ
を設計・理解することで、チームメンバーのターゲットに対する理解を深めるだけでなく、認識も共通化することができます。
妄想だけで作らないように注意
ペルソナ
設計時は、必ず実際のデータを利用するようにしましょう。
社内の人間だけで考えると、どうしても「自社サービスを利用しそうな人」から発想が始まり、「自社にとって都合の良い
ペルソナ
」ができ上がってしまう確率が高くなります。
まずは自社サービスの販売状況から、最も利用している利用者の年齢層・性別を特定し、できればアンケート等を行ってどのような属性の方々がコア ユーザー なのかを調べます。そこに市場調査データ等を加味し、 ペルソナ を設計していくという流れが基本です。
参考:
拍子抜けするぐらい簡単に利用できる、無料のアンケート作成ツール10選
統計データや調査データが公開されているサイト・サービス10選
3. ニーズ の洗い出し
ターゲットユーザー
がどのような人物なのかを把握したら、次はターゲットのニーズを洗い出しましょう。
彼らがどのような問題を抱えていて、どのような情報を必要としているのか、
ペルソナ
の行動パターンや趣味・嗜好から洗い出してみます。
ニーズ を探るには、
・
ユーザー
を集めた座談会を開く
・
カスタマージャーニー
マップを作成する
など様々な手法があります。
参考:
顧客をより具体的にイメージできる「カスタマージャーニー」とは?
しかし、
ユーザー
が何を求めているのかを理解するには実際に
コンテンツ
を出しながら、
ユーザー
の反応を見ていく方が理にかなっている面もあります。
事前調査をある程度行い、仮説を立てたうえで
コンテンツ
を配信し、反響を見ながら修正していくと良いでしょう。
4.対策 キーワード の選定
コンテンツ
マーケティング
で
SEO
を意識する場合、適切な
キーワード
を選定できるスキルは非常に重要です。
「ターゲットの
ニーズ
」と「
コンテンツ
」の橋渡しとなるのが対策
キーワード
になるからです。
ターゲット ニーズ に沿った キーワード を設定し、それに沿って作られた コンテンツ は、検索 ユーザー に見てもらえる確率が高くなり、更に Google からも評価されやすくなります。
コンテンツ
マーケティング
の場合、主な流入源は
ソーシャルメディア
と
検索エンジン
に大別されます。
ソーシャルのメディア場合は情報に対して受動的な
ユーザー
が多いのに対し、検索で流入してくる
ユーザー
はニーズを持った能動的な
ユーザー
がメインのため、見込み顧客に繋がる確率が高いといえます。
5. ユーザー を意識した コンテンツ 作成
キーワード
を選定したら、再び
ペルソナ
に立ち戻り、どのような切り口であれば彼らに読んでもらえるかを考えて
コンテンツ
を作成しましょう。
例えば「ダイエット サプリ」という
キーワード
を元にした
コンテンツ
を作成する場合、
ペルソナ
は男性なのか女性なのか、20代なのか50代なのかなど、属性によって
コンテンツ
内容は大きく異なります。
ペルソナ の興味を引きそうな コンテンツ はどのようなものなのか、「3. ニーズ の洗い出し」の項目と同じく、 ユーザー からの実際の反応を見ながらブラッシュアップしていく必要があります。
6. ソーシャルメディア 上で拡散されやすいように
ソーシャルメディア は、「 コンテンツ 拡散」に軸を置いて運用しましょう。
拡散される コンテンツ を作成することの重要性
先にも記載したとおり、
コンテンツ
マーケティング
における流入源は「
検索エンジン
」と「
ソーシャルメディア
」がメインとなります。
検索エンジン
経由のユーザーを獲得するためには
SEO
を強化する必要がありますが、効果がでるまでに時間がかかります。
一方
ソーシャルメディア
は、拡散されれば早い段階で新規
ユーザー
を獲得できる可能性があります。
コンテンツ
マーケティング
においての重要な指標として「新規
ユーザー
の獲得」がありますが、拡散されることで比例して被リンクも増えますので、拡散したくなるポイントはある程度意識した
コンテンツ
制作が必要です。
本質的でない面も多い手法なので、濫用しすぎると ターゲットユーザー とはかけ離れた ユーザー からの流入が増えてしまう可能性もありますが、大きく認知を広げて ターゲットユーザー に届く確率を高めるためには非常に有用です。
現在、拡散性の高いSNSとしては
Facebook
、
Twitter
が挙げられます。
それぞれのSNSの運用は最低限行うべきです。
また、
ブックマークサービス
である「はてなブックマーク」も拡散性の高いサービスです。
ブックマークしたくなるような
コンテンツ
も意識してみるのもいいかもしれません。
拡散されるために意識すると良いポイント
- 人に教えたくなる(楽しい、笑えるなどのポジティブな感情を刺激)
- 役に立つ情報だから保存しておきたい
7.効果測定
コンテンツ
マーケティング
は
ユーザー
が起点となる施策です。
ユーザー
の反応を無視したままで続けていては成功するのは難しいでしょう。
ユーザー
の反応を知り、施策に取り入れて改善していくという
PDCA
を回すためにも、効果測定は確実に行いましょう。
効果測定に利用するべきなのは主に以下の5つです。
Googleアナリティクス
は
アクセス解析ツール
、
Google
Search Consoleはホームページの健康状態をチェックして改善するためのツールです。
サイト内でどのように行動しているか、どのような
キーワード
で流入してきているのかを確認することができるので、
コンテンツ
マーケティング
に限らず、ホームページを運用されている場合は確実に導入するべきでしょう。
Facebook
ページ
インサイトと
Twitter
も、
コンテンツ
ごとの拡散性を測定するのに不可欠です。
どのような
コンテンツ
がシェアされているかを分析し、傾向をつかむことができれば安定して拡散性の高い
コンテンツ
を作成することができます。
また、意外と忘れてはならないのがエゴサーチです。
エゴサーチとは、ネット上で自社に言及している情報を検索することで、
Twitter
上で行われるのが一般的です。
Twitter
で自社サービス名やホームページの
URL
などを検索してみると、アンケートや座談会では得られないような率直な意見を見ることができます。
参考:
意外と重要なTwitterのエゴサーチについての解説
そして忘れがちなのでが、配信した
コンテンツ
の評価です。
単純に
PV
が多いとかでなく、それぞれの軸ごとに評価することをオススメします。
例えば、
PV
はさほど多くないが、その
コンテンツ
からの
CV
が多いなど知ることができれば、
ユーザー
が求めている
コンテンツ
と判断することができます。
まとめ
コンテンツ マーケティング を成功させるためには、 ペルソナ を設計して ターゲットユーザー への理解を深め、彼らがどのような情報を欲しているのかを洗い出し、 ニーズ に沿った キーワード の選定を行います。
キーワード
を選定したら、再び
ペルソナ
に立ち戻り、どのような切り口であれば彼らに読んでもらえるか、拡散したくなるかを考えて
コンテンツ
を作成します。
コンテンツ
公開後は、定期的に効果測定を行って実際にどれだけの
ユーザー
に届いているかを確認します。
また、SNSを使って
ユーザー
からの反応も収集しましょう。
それを受けて次に作成する
コンテンツ
に反映することでより
ユーザー
が求める姿に近づくことができます。
ファン獲得が目的となる以上、どのフェーズにも「
ユーザー
視点」が不可欠になります。
まずは
ターゲットユーザー
が誰なのか、何が欲しいかを理解しましょう。
また、上記ポイントを押さえながら
コンテンツ
マーケティング
を実践できる環境として、ferret one(2016年8月1日に名称変更)という
マーケティング
ツール
を提供しています。
コンテンツ
マーケティング
、
オウンドメディア
、Web
マーケティング
に関する相談などもお待ちしておりますので、興味のある方は、Webサイトをご覧ください。
ferret one - オウンドメディア構築からリード獲得・育成、コンバージョンまでをワンストップで実施できるマーケティングプラットフォーム
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