ECや通販サイトの担当になったものの、専門用語が分からず困っているマーケターも多いのではないでしょうか。ECや通販サイトには多くの専門用語があり、しっかり理解していなければ運営が上手く進められません。

そこで、担当者必見のEC・通販専門用語をまとめました。基本から応用まで幅広く解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. ECサイトの基本知識
  2. 【基本編】EC・通販の専門用語
  3. 分析に関する専門用語
  4. 集客に関する専門用語
  5. 運用・システムに関する専門用語
  6. 【番外編】その他の専門用語
  7. EC・通販サイト開設までの流れ
  8. EC・通販の専門用語を習得して円滑な運用を

ECサイトの基礎知識

まずは、ECサイトの基礎知識を解説します。

ECとは

ECとは、Electronic Commerce(電子商取引)の略です。つまり、ECサイトは商取引を行うサイトを指します。よくある通販サイトや、ネットショッピングができるサイトがECサイトです。

似た言葉にeコマースがありますが、eコマースはECと同じ意味となります。eコマースはネットで行われる決済や取引形態を指す言葉です。ただし、「eコマース=EC」であって、「eコマース=ECサイト」ではないので、混同しないように注意しましょう。

EC・通販サイトの種類

EC・通販サイトには、大きく分けて以下の2つの種類があります。

  • 自社型ECサイト
  • モール型サイト

自社型ECサイトとモール型サイトの例.png

自社型ECサイトは、自社の商品だけを扱うサイトです。つまり、ユニクロなどの各アパレルブランドなどが展開する通販サイトが自社型ECサイトとなります。独自ドメインを使用し個性を出すことで、ブランディングなどを行いやすいのが強みです。

一方でモール型サイトは、ショッピングモールのように複数のショップを集めて運営するスタイルを指します。Amazonや楽天などは、代表的なモール型サイトです。

自社型ECサイトは個性を出しやすいものの技術力と予算が必要で、モール型サイトはコストが低く気軽に始めやすいもののオリジナル性に欠けるなど、それぞれにメリットとデメリットがあります。

【基本編】EC・通販の専門用語

ここからは、EC・通販の専門用語を解説していきます。まずは、基本編として最初に知っておきたい用語を見ていきましょう。

検索エンジン

検索エンジンは、検索窓などにキーワードを入れることでネット上に存在する画像やWebページを検索できるシステムです。サーチエンジンなどとも呼ばれ、インターネットが普及している現代ではほとんどの人が使用しています。代表的な検索エンジンは以下の通りです。

  • Google(グーグル)
  • Yahoo!(ヤフー)
  • Baidu(バイドゥ)

ECサイトにおいては、サイト内の商品検索などをする際に使用します。検索エンジンがあることで、顧客は好みの商品を探しやすくなるでしょう。

ファーストビュー

ファーストビューとは.png

ファーストビューは、ユーザーが最初に目にする画面です。ECサイトにおいては、サイトのトップ画面がファーストビューになります。トップ画面に興味を惹かれる情報が記載されているだけでも、集客や売上のアップにつなげられるでしょう。

セール情報など、ユーザーが知りたい内容ファーストビューに載せるように意識してみてください。

UI

UIは「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の略で、主にデザインや操作感などを指して使われることが多いです。
正確には文字のフォントやボタン、サイト内に掲載されるイラストやメニューなど、ユーザーと接する全ての要素がUIです。

UU

UUは「Unique User(ユニークユーザー)」の略で、Webサイトアクセスしたユーザーの数を意味します。購入の有無などに関係なく、サイトを訪れた時点でUUにカウントされます。ただし、複数回訪問した場合でも同一人物は1人に数えられます。

PV

PVは「Page View(ページビュー)」の略で、サイトが閲覧された回数のことです。UUとは異なり、同一人物が複数回アクセスした場合は、訪れた回数分だけカウントされます。サイトの規模をはかる指標の1つとしてよく用いられている数値です。

CV

CVは「Conversion(コンバージョン)」の略で、成果を表す言葉として使われます。例えば、ECサイトやLPなら商品の購入がCVです。費やした時間や費用に対し、どれくらいの効果が出たかを示す「費用対効果」を測定する際に重要な役割を果たします。

また、CVRは「Conversion Rate(コンバージョンレート)」の略で、サイト訪問者や問い合わせ数のうちで購入や契約に至ったユーザーの割合を意味します。例えば、1000人からの問い合わせがあったうち、契約が100件取れたらCVRは10%となります。

EFO

EFOは「Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)」の略で、資料請求や購入フォームなどのあらゆるフォームを最適化することです。より多くのユーザーにフォームを利用してもらうため、さまざまな施策を行いながら最適化します。

入力フォームの項目数は多すぎないか、エラー表示が最適かどうかなどをチェックしましょう。

ショッピングカート

ショッピングモールなどでは、ショッピングカートと呼ばれるものが設置されています。ECサイトにおいては、選択した商品を決済完了まで入れておくものがショッピングカートです。

商品の選択から決済までに必要な機能を搭載したシステムを、ショッピングカートシステムと呼びます。ECサイトではショッピングカートシステムが構築されていないと、スムーズに購入してもらえません。

離脱率

離脱率はサイトを訪れたものの、アクションを起こさずサイトを離れたユーザーの割合です。10000アクセスのうち、購入に至ったユーザーが1000人の場合は離脱率が90%になります。計算方法は「離脱数÷PV数」です。

カゴ落ち

カゴ落ちは、ECサイト内でショッピングカートに商品を入れたものの、購入まで至らずに離脱してしまうことを意味します。カートに商品が残っている旨を伝えるメールや、ポップアップなどを使うとカゴ落ちを防ぎやすくなるでしょう。

トラッキング

トラッキングとは、ユーザーが閲覧したページを追跡・分析することです。例えば、特定のサイトから内部リンクに飛んだり、外部サイトに飛んだりした場合は、トラッキングを行えばその道筋が全て分かります。

モール

モールとは、インターネット上にある仮想の商店街のようなものです。いろいろなお店が並び、ユーザーはその中から好きなショップや商品を選んで購入します。Amazonや楽天などが代表的なモールで、多数のショップが出品しています。

単品通販(単品リピート通販)

単品通販は単品リピート通販などとも呼ばれ、限られた商品を繰り返し購入してもらうスタイルのことを指します。1種類に限って販売しなければならないわけではなく、あくまでも同じブランドの商品を繰り返し購入してもらうことを指します。

越境EC

越境ECとはインターネットを活用し、海外に向けて商品を販売するECのことです。近年、成長している市場としても知られており、日本国内から海外へ向けた商品を開発している企業も多くあります。国内に留まらず、海外からの売上を得られるのがメリットです。

分析に関する専門用語

次に、分析に関する専門用語を解説します。

顧客分析

顧客分析とは、その名の通り顧客を分析することです。顧客分析には、大きく以下の4つの種類があります。

● セグメンテーション分析

既存顧客の中で共通点を見つけ、指標や項目を洗い出すものです。

● RFM分析

利用金額を見て今後育成すべき顧客を見つけ出します。

● デシル分析

利用金額から顧客をグループ分けし、割合を分析する手法です。

● CTB分析

カテゴリー・テイスト・ブランドの3つの指標から、顧客を分析していきます。

このような分析は、今後の施策立案に役立ち、売上のアップや事業拡大につながります。

アクセス解析

アクセス解析は、サイトの課題を見つけることで改善のための施策へとつなげることです。解析ツールを使えば簡単にアクセス解析をすることができ、サイトのどこに問題があるのか一目で分かるようになります。

LTV

LTVは、「Life Time Value(顧客生涯価値)」を意味する言葉です。顧客が商品やサービスの利用を開始してから終了するまで、どれだけの利益を得られるかを意味します。特に定期購入や定期契約の商品・サービスでは、顧客生涯価値が重要です。

できるだけ長く、太く利用してもらえるように工夫しなければなりません。顧客生涯価値が低いと、いくらたくさんの顧客から購入されても売上が伸びなくなってしまいます。

CPO

CPOは、「Cost Per Order(新規顧客の獲得単価)」の略です。新規顧客による購入や契約を得るまでに、かかった広告費を意味します。1人の顧客を得るためにかかるコストと利益、その他の費用などを加味して適切な数字かどうか考えましょう。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、SEOやSNSなど広告以外の集客方法を指します。
コンテンツは、主にオウンドメディアなどに掲載される記事コンテンツのことを指して使われることが多いです。

直接的な購入を狙うのではなく、ユーザーが興味を持つテーマで潜在ユーザーとの最初の接点を持ち、ECサイトへの流入を促す目的で活用します。

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、過去に該当サイトを訪れたことがあるユーザーに向け、配信される広告のことです。すでに企業や商品の情報を見たことがある(興味を持っている)ような潜在顧客に対して主に配信されます。

リターゲティング用のタグを埋め込んでおくことで、ユーザーを追跡して別ページで自社の広告を表示させる仕組みです。

データフィード広告

データフィード広告は、データフィードと呼ばれる仕組みを使い、広告媒体の仕様に合わせて自社の広告を変換して配信する手法です。GoogleやYahoo!などで多く用いられており、検索画面の上部に画像とテキストなどで表示されます。

GA

GAは「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」の略で、アクセス解析ができるツールのことです。アクセス解析ツールを使えば、ユーザーのアクセス情報を収集・分析できます。さまざまな施策を行う際、重要となるツールの1つです。

集客に関する専門用語

次に、集客に関わる専門用語を見ていきましょう。

SEO

SEOは聞き覚えのある人も多いと思いますが、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」のことです。SEO対策などとも呼ばれており、対策を施すことで検索に引っかかりやすくなります。

通販やECサイトが自然検索で上位に表示されるためには、このSEO対策が必須です。サジェストキーワードや関連キーワードなどを用いてページを作成することで、検索上位に表示されやすくなります。

CPA

CPAは「Cost per Acquisition(顧客獲得単価)」の略で、1件のCVを獲得するためにかかったコストを指します。コストがかかりすぎていると利益が出にくくなってしまうため、その場合は広告費や諸費用を見直す必要があるでしょう。

CPC

CPCとは「Cost Per Click(クリック単価)」の略で、1クリックあたりかかる広告費を指します。主に、クリック報酬型広告を利用する際に用いられる指標です。CPCの相場は1クリックあたり24円~200円程度となります。

リピート率

リピート率とは、一定期間にサイトを訪れた新規顧客の中から、リピーターになってくれた顧客の割合を指します。各月のリピート率は、「当月リピート顧客数÷累計新規顧客数×100」で求められます。多くの顧客にリピートしてもらえるようなサイトを目指しましょう。

F2転換

F2転換とは、新規顧客が2度目のリピート購入をすることです。Fには、「Frequency(頻度)」の意味があり、F2は2度目の購入を意味します。つまり、3回目のリピート購入をしている場合にはF3転換、4度目ならF4変換となります。

LP

LPは「Landing Page(ランディングページ)」の略で、ユーザーが最初に辿り着くページのことです。よく、ネットでキーワード検索をした際に、上位に表示されるような広告のほとんどがLPとなります。

LPOは、ランディングページ最適化のことで、LPを改善してよりよいものにすることです。離脱率が高い場合や、売上が伸び悩む際はLPOを積極的に行いましょう。

ステルスマーケティング

ステルスマーケティングは通称「ステマ」「やらせ」などと呼ばれており、広告であることを隠して商品を宣伝する行為を指します。SNSなどでプロモーションを含む投稿でありながら、それを隠してアピールする行為がステルスマーケティングです。

リスティング広告

リスティング広告は、検索結果が表示されるページテキスト形式で表示される広告のことです。ユーザーが検索したキーワードにあわせ、最適な広告が表示されます。

ユーザーが購入したいものの関連商品や、関連サービスなどの広告を表示させることで強くアプローチできるのが特徴です。

アフィリエイト

アフィリエイトは、サイトやメルマガなどに指定のリンクを貼り、ユーザーにそこを経由して商品を購入してもらうことで報酬が発生するシステムを指します。ブログなどで商品リンクや企業のURLを載せているもののほとんどが、アフィリエイトリンクと考えられます。

運用・システムに関する専門用語

続いて、運用・システムに関する専門用語を解説します。

ECサイト一元管理システム

EC一元管理システムは、複数モールへの出店や自社サイトを複数運営している際、データを集約して効率よく運営していくために必要なシステムのことです。各ECサイトのデータを一括で管理できるため、分析もしやすくなります。

ASP

ASPは、「Application Service Provider(アプリケーションサービスプロバイダ)」の略で、ネット上でアプリケーションを提供するサービスの提供者のことを指します。また、そこから提供されるサービスのことは、ASPサービスなどと呼ばれます。

CSV

CSVは「Comma Separated Values(カンマ セパレーティド ヴァリューズ)」の略で、各項目間がカンマで区切られたデータのことです。カンマで値を分けるという意味があり、各項目が区切られたデータをCSVファイルなどと呼びます。

API

APIは「Application Programming Interface(アプリケーションプログラミングインターフェイス)」の略で、情報のやり取りに使用するインターフェースのことです。APIを通じて互いが連携することで、双方がさらに便利に使えるようになります。

オープンソース

オープンソースは、ソースコードを無償で一般公開することです。ソースコードとはプログラミングに用いられるもので、オープンソースであれば誰でもソフトウェアの再配布や改良ができるようになります。

O2O

O2Oはは「Online to Offline」の略で、をオンラインで集めた顧客オフラインへ誘導する手法のことです。オンラインからオフラインへ、つまりネット上で集客をした顧客を実店舗へと流す施策のことを指します。

OMO

OMOは、「Online Merges with Offline(オンライン マージズ ウィズ オフライン)」の略で、オンラインとオフラインの統合を意味します。

ユニファイドコマース

ユニファイドコマースは、顧客1人1人に対して価値ある購入体験を提供するマーケティング手法です。実店舗やECサイトなどで収集した各データを活かすことで、それぞれに最適なアプローチを行います。

ささげ

ささげは、以下3つの言葉を合わせたものです。

・撮影(さつえい)
・採寸(さいすん)
・原稿(げんこう)

各工程の頭文字を取って「ささげ」と呼ばれており、ECサイトにおいて商品を販売するための情報制作業務を指します。

フルフィルメント

フルフィルメントは、ECサイト・カタログ通販・TVショッピングなどにおいて、購入に至るまでに必要になる一連のプロセスのことです。注文から問い合わせ対応、決済・在庫管理・発送・アフターサービスまで、一環の流れをフルフィルメントと呼びます。

アップセル

アップセルは、現在購入・利用している商品やサービスよりも、さらにグレードの高いものを利用してもらうことです。そうすることで客単価をアップさせ、企業全体の売上を伸ばしていきます。

クロスセル

クロスセルは、現在購入・利用している商品やサービスに関連するものをあわせて買ってもらうことです。アップセルと同じく、客単価のアップを狙えます。アップセルとクロスセルを行えば、効率よく既存顧客からの売上をアップさせられるはずです。

ECパッケージ

ECパッケージとは、ECサイトを構築するために必要な土台が揃ったショッピングカートシステムです。構築・運営に必要となる機能が一通り揃っているため、初心者でも構築しやすいと言えるでしょう。必要に応じてカスタマイズも行いながら、ECサイトを構築します。

【番外編】その他の専門用語

最後に、番外編として覚えておきたい専門用語を解説します。

EC化率

EC化率とは、全ての商取引の中でECが占める割合を指します。ECサイトだけでなく実店舗からの購入や契約などがある企業では、事業全体におけるECの動向を知る指標としてEC化率を算出することが多いでしょう。

ECC

ECCはECコンサルタントを意味する言葉で、コンサルティングを行う仕事のことです。サイトの運営方法や利益を出すための施策など、さまざまな観点からコンサルティングを行います。商品の特性を理解し、どのようにPRしていくかを総合的に判断します。

ロジザード・マッチン

ロジザード・マッチンは、無料で使える物流倉庫の紹介サービスです。商品の在庫を抱えている企業におすすめのサービスで、委託先を探しているメーカーに対して最適な倉庫を紹介してくれます。

EC・通販サイト開設までの流れ

EC・通販サイトを開設するためには、以下のような流れで進めていく必要があります。

  1. コンセプト・事業計画の決定
  2. 機材・システム・各種届出を準備
  3. EC・通販サイトの構築
  4. 集客や販促を行ってEC・通販サイトを開業
  5. 分析・改善を繰り返し行う

サイトを構築する前に、まずはコンセプトや事業計画を決定する必要があります。その後、準備を整えてから構築へと進みましょう。構築後は集客や販促を行ってから開業し、分析や改善を繰り返しながら運用を進めていきます。

EC・通販の専門用語を習得して円滑な運用を

今回は、EC・通販の専門用語を紹介しました。EC・通販サイトを円滑に運用していくためには、本記事で紹介したような専門用語の知識が必要です。よりスムーズな運用を進めていくためにも、ぜひ覚えておきましょう。