企業によるマーケティングへの活用がますます進んでいるInstagramですが、企業アカウントを運用する目的は何でしょうか。「時代の流れ的にInstagramをやったほうがいいと耳にしたから」「他社で成果が上がっていると聞いたから」あるいは「競合他社がアカウントを持っているから」といった理由で運用を始めようとしてはいませんか。

アカウント運用は手段です。Instagramという手段が自社の目的を達成するために本当に有効なのか、ただ漠然と運用をスタートさせてしまう前に以下の注意点を読みながら確認していきましょう。

参考:
Facebook公式サイト

Instagramのアカウント運用を始める前に確認すべき注意点

アカウント運用を失敗させないために、まずは以下の点を確認しましょう。

1.何を目的に運用するのか

あくまでもアカウント運用は手段です。漠然と運用を始める前に、どのような目的でInstagramを使うのかをはっきりさせておく必要があります。

Instagramのアカウント運用における目的は、「認知度の向上」「ブランド好意度の向上」「購入意向の向上」などが挙げられます。自社やブランドがあまり知られていない場合は「認知度の向上」、すでに多くの人に自社やブランドが知られている場合は「ブランド好意度の向上」など、自社やブランドの状況や課題に合わせた目的設定をしましょう。

目的をはっきりさせると、アカウント運用の中で何に注力するべきかも見えてきます。もしも目的が「認知度の向上」であるならば、Instagram広告を活用する、Instagramを利用したキャンペーンを企画するといった方法で成果を上げることができるようになります。

2.ターゲット層がInstagramユーザーに存在しているか

せっかくInstagramのアカウント運用を始めても、ユーザーの中に自社やブランドのターゲット層があまり存在していなければマーケティングとしての意味はありません。

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出典:
Instagramアプリの利用者数は前年から43%増加し1700万人を突破~ニールセン SNSの最新利用状況を発表~

利用者の内訳について、2017年9月にニールセンが発表したデータによると、2017年8月時点での男女構成比は女性が58%と男性を上回っています。また、年代別で見ると29歳以下が、性年代別では29歳以下の女性の利用者数が最も多くなっています。一方で、最も利用者数が少ないのは30代の男性です。

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出典:
Instagramアプリの利用者数は前年から43%増加し1700万人を突破~ニールセン SNSの最新利用状況を発表~

ちなみに、前年同月(2016年8月)の利用者数と比較すると、女性は50代以上が大きく増加して30代、40代にほぼ並んでおり、男性についても40代、50代以上が29歳以下と同程度増加していることから、高年齢層にも利用が拡大していると言えそうです。

以上のデータと自社やブランドのターゲット層を照らし合わせ、Instagramのアカウント運用が自社やブランドにとって本当に価値があることなのかどうかを今一度見直しましょう。

3. Instagramの文脈に合うコンテンツが用意できるか

Instagramの特徴は、写真や動画がメインのコンテンツであるという点です。そのため、写真や動画といった素材を継続的に用意できることが前提になります。加えてInstagramでフォロワーを増やすためには、写真や動画にある程度のクオリティと、企業独自のカラーや美しい、かわいいといった世界観の確立が求められます。

Instagramでのコンテンツ運用はアパレルや自動車などの有形商材に向いています。以下の調査結果によると、開設アカウント数や平均フォロワー数が多いのは、ファッション、メディア、食品・飲料、小売り、美容・化粧品などであることが分かります。こういった業界に属する企業であれば、コンテンツの運用がしやすく、フォロワーも増加させやすい傾向にあると言えるでしょう。

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出典:
自社ツール「POST365」調べ

参考までに、2017年12月時点でInstagram公式アカウントのフォロワー数が最も多いのは「nike」、次いで「Louis Vuitton」「Gucci」の順となっていました。

一方、金融や保険などの無形商材を扱っている企業の場合は、あまりInstagramに向いているとは言えません。ただ、無形商材であってもコンテンツを工夫して制作することで、ブランディングに役立てている企業もあります。例えば東京電力のInstagram公式アカウントでは、工場や配管などを被写体にした「インダストリアルフォト」の人気を受け、発電所や電柱、電線の写真をコンテンツとして掲載しています。

4. コンテンツの拡散性が高いとは言えない

Instagramは、TwitterやFacebookに比べてコンテンツの拡散性が劣ります。TwitterやFacebookには個々のユーザーが気に入ったコンテンツユーザー自身のフォロワーに向けてシェアする仕組みがありますが、Instagramには同様の仕組みがないためです。

Instagramで自社アカウントのフォロワー以外にコンテンツを見てもらうためには、画像や動画の内容に関連したハッシュタグを付け、そのハッシュタグを検索したユーザーに、目に留めてもらうといったことが基本的な方法です。

数あるコンテンツの中から目に留めてもらうためにも、先述したコンテンツのクオリティの向上や世界観の確立、そしてハッシュタグの付け方の工夫などが求められます。

5. 外部サイトのリンクを貼れるのは一部のみ

Instagramでは、外部サイトへのリンクを貼ることができるのはストーリーズやプロフィール欄となっています。投稿のキャプションにURLを書き込むことはできますが、リンクとしては機能しません。つまり、コンテンツから自社サイトへの誘導や、コンテンツに関連するキャンペーンサイトへの誘導にはあまり期待ができないと言えます。

ただし、2018年6月からは「ショッピング機能」が国内で導入され、コンテンツとして投稿された画像上の商品に、商品名や価格を記載したタグを付けることができるようになりました。気になる商品のタグをタップして詳細を閲覧し、詳細ページ内のリンクから外部ECサイトに遷移して商品を購入することができます。この機能により、ECサイトを持つ企業のビジネスチャンスが大きく広がると期待されています。

まとめ:Instagramでアカウント運用しやすい企業

これまで述べた注意点から、Instagramでのアカウント運用が比較的やりやすい企業を簡単にまとめると、「29歳以下の若年層の女性をターゲットにしている」、「写真に映えやすい有形商材がある」、あるいは「ユーザーの目に留まりやすい世界観を持った画像の制作環境がある」といったことが挙げられます。

ただ、ユーザー数も急激に伸び、多くの世代に浸透してきているため、上記に当てはまらない企業でも、運用を工夫することで一定の成果は期待できます。

まずはInstagramを活用する目的を明確化し、ターゲットを定めコンテンツの制作環境を整えて、Instagram運用を始めてみましょう。