近年では、SNSアカウントを自社で運用している、または運用したいという企業も増えています。

SNSの活用は、ユーザーとの接点を増やすために非常に有効です。しかし、今までの広告媒体などと勝手が違う部分も多く、安易にアカウント開設・運用に踏み切ってしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる危険もあります。

今回はFacebookのガイドラインや利用規約などの「事前に理解しておきたいルール」と、炎上などのリスクを未然に抑えるために有効な「ソーシャルメディアポリシー」について解説します。

SNS運用では炎上を防ぐことが重要

FacebookやTwitterに代表されるSNSは、企業サイトや純広告と言われるような広告媒体と比較して、発言の自由度や拡散性が高いメディアです。

自由度や拡散性が高いメリットがある反面、SNS上で自分に否定的なコメントが集中する「炎上」のリスクなども生まれます。担当者の不用意な投稿が炎上する事件は数多く起きており、どんな企業でも無関係ではありません。

炎上やトラブルを未然に防ぐためには、まずSNSの規約を理解することが重要です。さらに、自社でソーシャルメディアポリシーを作成し、万が一トラブルが起きた場合に適切な対応を取る体制づくりも大切になります。

チェックすべきガイドライン・規約

ここでは、Facebookが定める規約やポリシーを紹介します。規約と言ってもひとつではなく、機能や運用目的ごとに複数あるので、ぜひチェックしてください。

全てを細かくチェックするのは大変なので、まずは規約にざっと目を通してから自分に関係がありそうなものを熟読するのがおすすめです。

1. Facebookページ規約

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こちらは、Facebookページ全般についての規約・ルールです。コミュニティ規定に違反した目的、名前などでページを作成できないことなどが記載されています。また、クーポンやプロモーションなどの機能についても記載してあり、法的要件および規制要件を遵守するようにと書かれています。

また、「シェア・再投稿・タグ付けなどで参加者にプロモーションをさせるような行為も禁止されています。ページ管理者がデータを収集する場合には、必ず利用者から同意を得ることも規定しています。そのほか、プロモーションを運営する場合は自己責任で運営することなど、細かな規約が定められているので必ずチェックしておきましょう。

2. Facebookプラットフォームポリシー

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Facebookプラットフォームポリシー

Facebookプラットフォームポリシーには、Facebookを利用する上で守るべきポリシーや原則などが書いてあります。知的財産権やデータ使用についても書かれてかかれているので、合わせてチェックしておきましょう。

それぞれの項目に禁止行為なども記載されており、違反をするとアカウントが停止されてしまう可能性もあります。

3. サービス規約

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サービス規約

サービス規約は、Facebookの全般的な利用規約です。基本的にはFacebookと一般ユーザー間の規定ですが、開発者および運営者はFacebookプラットフォームポリシーに従う必要があることなども記載されています。

4. 広告ポリシー

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広告ポリシー

広告ポリシーでは、Facebook広告の審査プロセスについて記載しています。適切ではない広告表現や広告内のFacebookブランドの取り扱いなどについて「混乱を招きやすい項目」としてまとめています。

Facebookを運用する際、広告を出稿する方も多いでしょう。広告の出稿には、さまざまな審査基準が設けられているので、こちらをチェックした上で進めるのがおすすめです。

5. ブランドリソースセンター

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ブランドリソースセンター

ブランドリソースセンターでは、Facebookコンテンツを公開する場合の一般的なルールについて記載しています。ロゴや単語など、Facebookブランドに関する禁止事項についても記載されているページです。

右上の「ガイドライン」をクリックすると、詳細なルールが確認できます。許容される表現と許容されない表現も細かく記載されているので、ぜひチェックしてみてください。

企業としてソーシャルメディアポリシーを用意する

Facebookの規約やポリシーに従うことは大切ですが、それだけでリスクを回避できるわけではありません。Facebookが規定しているのは全般的な内容なので、具体的な取り決めを行う必要があります。自社の業界、ビジネスを踏まえたルールも用意するのが好ましいでしょう。

ソーシャルメディアポリシー」は、Facebookの規約とは別に企業・団体としてFacebook(およびSNS)をどのように扱うかを定めるものです。目的は同じですが企業によっては「ソーシャルメディアガイドライン」など、ほかの名称で呼ぶこともあります。

ソーシャルメディアポリシーには何を書く?

ソーシャルメディアポリシーとは、簡単に言うと「自社や自社スタッフがSNSで情報発信するときのルール」です。ルールが決められていないと、担当者ごとに異なる判断基準で運用することになり、何かあったときのリスクも高くなります。

炎上しないような運用体制を定めることはもちろん、万が一何か起きてしまった場合にどのように対応するべきなのか、事前に決めておくことが重要です。

代表的な項目としては、以下のような内容を決めておきます。

● SNSとの関わり方(企業アカウント・個人(従業員)のアカウント)

企業は何の目的で、どのようにSNSアカウントを活用するかを規定します。また従業員がSNSを利用するにあたって気をつけるべき点も明記しましょう。基本方針や情報発信に関わる規定なども記載しておくと、社内全体で意識が統一されます。

● アカウント運用のポイント(推奨すること・禁止すること)

論争的な話題は扱わないことや、事実関係のチェックを徹底するなど、禁止事項を規定します。推奨する内容についても明記するようにしましょう。

● 炎上対策フロー(アカウント監視方法・発生時の対応フロー・対応部署)

万が一自社に対するクレームや炎上が発生した場合どこに連絡すればいいのか、窓口対応はどの部署が担当するのか、などの対応方法を規定します。万が一、炎上した場合は早急な対応が求められるため、対策フローは必ず記載しておきましょう。

●業界特有の事象

業界ごとに異なる事象について規定します。例えば、BtoCビジネス企業であれば、「ユーザーによる自社の投稿に対しては一切の責任を追わない」などが代表的です。

SNS炎上についてマーケターが知っておきたい法律知識を弁護士に解説していただいた、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

SNS炎上を防ぐには?企業がとるべき対策や運用ポイント。弁護士が解説!マーケ担当者が知っておきたい法律知識

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昨今、企業のソーシャルメディアが炎上するケースが散見されます。企業はどういった点に気をつけるべきなのか?法律専門家の視点でポイントを解説します。企業法務領域でリーガルサービスを提供している法律事務所ZeLo・外国法共同事業の長野友法弁護士に伺いました。

参考になるソーシャルメディアポリシー

ソーシャルメディアポリシーを策定したいと思っても、ゼロから考えるのは大変です。そんなときは、他社の事例を参考にしてみましょう。

下記の記事では、ソーシャルメディアポリシー・ガイドラインを公表している企業の例などを紹介しています。

ソーシャルメディアガイドライン・ポリシーの作成ポイントと5事例

ソーシャルメディアガイドライン・ポリシーの作成ポイントと5事例

ソーシャルメディアでの投稿による炎上やユーザー間のトラブルを防ぐため、多くの企業はソーシャルメディアポリシー・ガイドラインを定めています。この記事では、ソーシャルメディアガイドライン・ポリシーを作成する目的や作成ポイント、作成時に役立つ5事例をご紹介します。

まとめ

今回は、Facebookガイドラインのポイントとソーシャルメディアポリシーについて紹介しました。

SNSは、上手に活用すればビジネスを加速させてしてくれます。炎上やトラブルのリスクを抑えつつ最大限の効果をあげるためにも、公式のSNSガイドラインをきちんと確認し自社で運用ルールを定めておくことが大事です。