なんとなくFacebookページを始めてみたものの、投稿の準備やユーザーとのやりとりなど、思ったより手間がかかる割にはあまり費用対効果が見えてこず、この先どうしようかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

Facebook運用をビジネスの成果につなげるためには、事業戦略に合わせた目的を設定し、目的にそった数値目標を定め、改善を続けることが大切です。今回は、その第一歩であるKGIKPI設定の仕方について手順を踏んでご紹介します。

Facebookページ運用成功のカギは、目的に応じたKPI設定

Facebookページは継続的に運用していくものなので、投稿など自社ページのアクションの効果を測定し、継続的に改善していくことが重要です。

しかし、Facebook活用のゴールをうまくKPIに落とし込めていないと、有効な改善策を講じられません。運用業務において日々追いかけるのはKPIですが、そのKPIを正しく設定するためには、目的を明確にしてKGIを設定し、それをKPIに落とし込む必要があります。

それぞれの数値の設定方法を理解して、Facebookページの利用価値を高めていきましょう。

KPIを達成したらKGIも達成できるように設計しよう

では、どのようにゴール設定をし、目標を決めていけばいいのでしょうか。

まずは、Facebookページ運用を通して、何を達成したいのかを考えます。これがFacebookページ運用の「目的」となります。

そしてその目的を数値目標に落とし込みます。具体的にどのような数値がどうなったら目的を達成したと言えるのかを決めるのです。これがKGIです。KGI(Key Goal Indicator)は、日本語では「重要目標達成指標」と訳され、誰でも公平に判断できるように時期と具体的な数値を設定し、明確な判断基準としておくことがポイントです。

そして、このKGIを達成するために、さらに細かく目標数値を設定したものがKPI(Key Performance Indicator)です。KPIは「重要業績評価指標」と訳され、KGIの達成にしっかり向かっているかどうかを測るための中間指標となります。実際の業務で日々追うのはKPIがメインとなります。

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関連記事:【テンプレートあり】KPI・KGIの違いとは〜目標達成に欠かせない2大項目について徹底解説

以降では目標設定の具体的な手順を解説します。

手順1:Facebookページ運用の目的を決める

では、実際にKPIを設計していきましょう。まず、初めにFacebookページ運用の目的を決めます。運用の目的としては以下のようなものが考えられます。

facebook_purpose.png
画像引用:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-900/

その中でも、代表的なものは以下の3つです。

4. ブランディング・認知促進:Facebookページを通じて、たくさんの人に自社やサービス、商品を知ってもらう
6. ファン化・ファン育成:Facebookページを通じて、お客様の満足度や好意度を上げる
11. (サイトへの)集客:Facebookページから自社サイトなどへのアクセスを増やす

経営戦略や事業戦略、ほかのマーケティング施策との兼ね合いなども考慮しながら、Facebookページが担う役割はなんなのか、一番有効な使い方を検討していきましょう。

手順2:目的に応じたKGIを設定する

目的が決まったら、その目的が達成されたかを判断できる指標を考えます。例えば、手順1であげた代表的な目的の場合は、以下のような指標がKGIとして考えられます。

<目的別のKGI例>

4. ブランディング・認知促進 : リーチ数・ページ「いいね!」数
6. ファン化・ファン育成 : エンゲージメント数
11. (サイトへの)集客 : 流入数

以下で、Facebookページの効果指標の代表的なものをご紹介します。これらの中から、目的に合わせてKGIKPIを選ぶのが最もポピュラーな方法です。

<KGI・KPIとしてよく使われるFacebook関連の数値>

Facebookページへの「いいね!」数(ファン数):
ページに「いいね!」したユーザーの数です。「いいね!」は有料数(広告で獲得したもの)とオーガニック数(広告以外)を日別で分けてみることができます。

リーチ(数/率):
どれくらいのユーザーが投稿を閲覧したかがわかる数字です。有料リーチ、オーガニックリーチ共にみることができます。また「リーチ数/ファン数」でリーチ率を出すことができます。

エンゲージメント(数/率):
ページに対して何らかのアクション(いいね!、コメント、シェア、クリック)を実行したユーザーの合計数と、アクションタイプ別の内訳をみることができます。また、「エンゲージメント数/リーチ数」でエンゲージメント率を出すことができます。

リンクのクリック:
投稿や広告などにリンクをつけている場合、ユーザーがそのリンクを通して自社サイトなどにどれだけ誘導されたのかを表す数字です。

手順3:KGIをKPIに落とし込む

最後に、KGIを達成するために必要な要素を洗い出し、KPIを設定していきます。KPIは、中間指標ですので、KGIを細分化して数値化したものを、月ごと、四半期ごとなどの期間で区切って設定していく必要があります。例えば、目的とKGIを以下のように設定したとします。

目的:認知拡大
KGI:1年後までに、ページの「いいね!」数を5万にする

そうすると、KPIとしては、以下のようなものが考えられます。

・月次の「いいね!」数
・月次の有料「いいね!」数と、オーガニック「いいね!」数 など

さらに、広告を運用して有料で「いいね!」を獲得して行く場合、限られた予算の中で最大限に「いいね!」を獲得していく必要があるため、1有料「いいね!」あたりの獲得コストも、KPIになる場合があります。このように、KPIは必要に応じて複数設定します。

KPI設定のポイント

ここで、KPI設定でやってしまいがちなNG事項をご紹介します。以下のような点に気をつけないと、非現実的なKPIになってしまう可能性があるので注意してください。

絶対値と率(割合)は分けて考える

Facebookの効果指標には「絶対値」で表すものと「率(割合)」で表すものがあります。「いいね!」数のような絶対値で表される数値は、増え続けるというKPI設定をしても問題ありません。

ただし、エンゲージメント率など割合で測る数値については、ある程度最適化し改善されるとほぼ一定になっていくもので、ずっと上がり続けるのはあまり現実的な想定ではありません。そのため、KPIを設定する際は、絶対値で表される数字は増えていく想定で数値を定め、「率(割合)」で表すものはある程度いい状態の数値をキープするのを目指すのがいいでしょう。

一時的な変動に合わせたKPIにしない

Facebookページの運用は、季節やトレンドの影響を受けますし、ある1つの投稿がバズったりすると数値が跳ね上がるため、一時的な変動に引っ張られたKPI設定をしないように注意しましょう。
もし、あらかじめトレンドが予測できる場合は、そういった要素も含めながら月次のKPIを設定しておくことがポイントです。

まとめ

このように、KGIKPIをどう設定するかによって、日々のFacebookページ運用の方針が大きく影響され、ビジネスとしての成果も変わってきます。今回ご紹介した手順にそってKGIKPIを設定し、Facebookページを有効的に活用していきましょう。