ペイドメディアでのユーザー獲得はオーガニックユーザー獲得と違い、お金を払って本来コントロールができないチャネルを利用します。一般的な例は、Facebook、Google検索、iOS App Storeなどに表示される広告です。

実のところ、どんなに優れたASO対策を行い、無料でのユーザー獲得を展開したとしても、何らかの形でペイドメディアでのユーザー獲得を行わない限り、熱心なユーザー基盤をそれなりの規模で構築するのは非常に困難です。比較的新しいパブリッシャーでまだ多くのオウンドメディアを持たず、とりわけ急速に規模を拡大したい場合、これは文字どおりお金を使った勝負になります。

ただし、ユーザー獲得に万能なアプローチは存在しません。テストをして、効果をトラックし、変更を加える作業を繰り返すことで、質の高いユーザーを呼び込む方法を見極め、支出を最適化できるようになります。

ここからは、様々なチャネルの特徴を見てみましょう。

広告のフォーマット

アプリ広告に利用できるフォーマットは数多くありますが、それぞれメリットとデメリットが存在します。

どのようなメディアミックスが自社のアプリの特徴、ターゲットユーザー、予算、目標に適しているかを判断するには、ある程度の試行錯誤が必要になります。

バナー広告

バナー広告は最も一般的な広告のフォーマットで、リンクを含む静的な画像をウェブサイトやアプリ内に表示します。

【メリット】
バナー広告は、コスト、表示方法、および表示場所をコントロールできる柔軟性に富んでいます。バナー広告がこれほどよく用いられる理由は、モバイル世界のほぼどんな場所にでも簡単に配置できるためです。    
【デメリット】
ユーザーが比較的無視しやすいほか、誤ってクリックされる傾向があります。

インタースティシャル広告

インタースティシャル広告は、出稿先アプリのインターフェース全体を覆うように表示される全画面広告です。通常は、あるアクティビティから別のアクティビティに移るときや、ゲームのステージが変わるときなど、アプリ利用の流れで自然に画面が切り替わるタイミングで表示されます。

【メリット】
ユーザーの注意を引くようにできているため、ユーザーはその広告を確認したうえで何らかの操作をすることが必要になります。
【デメリット】
押し付けがましい広告だと思われ、ユーザーに嫌われるリスクがあります。

ネイティブ広告

オンラインメディアに記事や動画といったコンテンツの形で表示される広告です。メディアの独自コンテンツのように見えますが、実際には広告主からお金をもらって提供しているもので、製品やサービスの宣伝を目的としています。

【メリット】
ユーザーがすでに消費しているコンテンツに溶け込んでいるため、さらに詳しく知りたいという気持ちを喚起します。
【デメリット】
この種のコンテンツがここ数年で増えているため、ユーザーが広告と気づいて避ける傾向が強まっています。

動画広告

動画広告は人を引きつける力があり、アプリの主要な機能を紹介するのに適しています。現在の動画広告は主に、リワード動画(ユーザーが視聴した報酬としてアプリコンテンツにアクセスできるもの)とスキッパブル動画の2種類が提供されています。

【メリット】
動画は静的画像に比べてはるかにクリックされやすいと、多くの調査結果が示しています。さらに重要なことに、動画広告は生涯価値(LTV)の高いユーザーをもたらします。これは、ユーザーがアプリのことをより理解してからダウンロードするため、リテンションが向上することが理由です。
【デメリット】
多くのユーザーが音声をオフにしています。また、動画広告は制作コストが高くつくことがあります。ただし、価値の高いユーザーを引きつけられれば、このコストは割に合います。

インセンティブ広告

インセンティブ広告は、アプリのインストール、ユーザー登録、アンケートへの回答といった特定のアクションと引き換えに、ユーザーに対し製品の割引やゲーム内アイテムなどの報酬を提供するという広告です。

【メリット】
一般的に、高い反応率を得ることができます。
【デメリット】
ユーザーはそのアプリを利用したいという自然な動機に乏しいため、長期のユーザーになりにくい可能性があります。

パートナーシップ

パートナー相手のオーディエンスを自社アプリに呼び込むことを目的に、他のブランドやインフルエンサーと提携することです。パートナー候補を見つける方法の1つが、ターゲットユーザーアプリの重複利用状況を調べることです。

【メリット】
自社アプリを気に入ってくれるであろうユーザーを呼び込むための優れた手段になりえます。
【デメリット】
パートナー候補を評価するのに、時間や調査が必要になります。また、提携の条件を細かく取り決める必要があります。

例えば、Hyundaiは、人気テレビドラマ『ウォーキング・デッド』と提携して、最新エピソードに自社の車を登場させました。その後、このドラマをテーマにしたアプリをリリースしたところ、そのアプリは自動車カテゴリーでトップに躍り出ました。このように、一見すると意外なパートナーシップであっても、ちょっとしたクリエイティビティを発揮することで、新しいオーディエンスにアプリを提示することができるのです。

A/Bテストを欠かさない

ASO対策の記事で取り上げたクリエイティブ同様、最適なリターンを得るには、広告を継続的にテストする必要があります。A/Bテストも、広告クリエイティブの鮮度を保つ手段の1つです。同じ広告を何度も繰り返し表示しても、潜在ユーザーがその広告をクリックしてくれることはまずありません。

また、どのような種類のキャンペーンを実施する場合であっても、短期集中型キャンペーンと段階的キャンペーンのメリットとデメリットを検討することをおすすめします。